第2話 出発

時間はギリギリにはなってしまったが準備もそこそこに玄関のドアを開いた。と同時に冷たい外気が肌に突き刺さる。

『さっむッ!!!、え、何...私を殺す気ですか?』

思わず声に出してしまった。

今すぐ背後の自室の寝床に飛び込みたいところではあるが休む訳にはいかない。私は寒さに耐えながら家を出た。


愛用のマウンテンバイクに跨り最寄り駅まで飛ばす。

「これならなんとか間に合いそうだ」

腕時計の文字盤に目を向け余裕がある事を認識したことにより少しペダルの回転数が落ちた。


最寄り駅に着き、電光掲示板に表示された次の電車を確認すると、どうやら来るまであと4分程はありそうだ。私は売店で普段は買わないホットコーヒーを購入し、ホームに電車が入ってくるのを待った。


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