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「それにしても、この街の自警団は使わないの?ロムが訓練してるんだから、相当強いでしょ?野盗も任せてしまえばよかったんじゃない?」

この街は難儀な場所あるため、自警団は自然と組織された。その自警団のトップをロムが務めている。

「流石に街を守る役目の自警団で、野盗の討伐に行かせるのは問題があります。」

「そう?黒きモノの話が本当だったら、街の自警団では流石に手に余る・・・が、本音でしょ。」

レイナの言葉に、ロムはにこりと笑みを返した。

「レイナには、隠せませんよね。そうです。黒きモノと、この街の住民を戦わせるわけにはいきません。」

「ロムの立場ならそうよね。」

一応、この街の上位責任者であるロムの言葉に納得するレイナ。

「でも、腕利きの冒険者となれば、報酬次第でやって来てくれます。あなた方のように。」

レイナに優しい視線を向けるロム。

「私は報酬につられたわけじゃ・・・それに、この依頼、確かに厄介なんだけど、報酬ちょっと多くない?」

レイナは、提示されていた報酬額と、ロムの話を鑑みて問いかける。その問いかけに、ロムはきょとんとした表情を見せる。

「そうですか?パーティーの方々と山分けしても十分な様にと準備していたんですが。」

「パーティー?」

予想外のロムの言葉に、思わず聞き返すレイナ。

「あれ?依頼内容には必ずパーティーでって書いていたんですよ。仲間の方が来るんじゃないんですか?」

不思議そうな顔をするロム、対照的に驚いた顔をしているレイナ。

「依頼を受けた時、そんな事一言も聞いてないわ・・・。」

「でも、レイナなら一人で十分ですね。」

「十分だけど・・・。」

腑に落ちない感じで、レイナは口ごもる。

確かに、パーティー分の報酬を一人で受け取れるのは魅力だが、パーティーと指定している以上、何かしらの懸念事項があると言う事だ。

「ちょっと、ギルドにクレーム入れないとね。」

不満を隠しきれないレイナを見て、ロムが申し訳なさそうな顔をする。

「すみません、厄介な依頼で。」

「ロムが謝ることはないわ、後できっちり話付けるから。」

「私からも、ギルドに言っておきますね。」

「依頼者と受注者のダブルクレームかぁ・・・。」

レイナのその言葉に、ロムは思わず笑ってしまう。それを見て、レイナも少し落ち着いた。

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