シスターの依頼
1
朝に町を発って、2時間ほどの空の旅を続けているレイナ。
「もうそろそろね。ここは、久しぶりかな。」
遠くにあった山が、ずいぶんと大きく見える。そして、その裾のに広がる緑の絨毯もはっきりとしてきた。
レイナが空から下をのぞく。そこには大きな街道が通っていて、人の姿も見える。
「相変わらず、ここらは活発ね。」
街道を目で追う。その先には、周囲を壁で覆われた街があった。
それを確認して、レイナはゆっくりと街道に降りていく。上空から直接街に入るのは御法度とされている。
「よっと。」
ゆっくりと街道に足をつけるレイナ。そして、またがっていた杖を片付ける。
「元気にしてるといいけど。」
レイナは、これから会う依頼者の顔を思い浮かべながら、街の門へと足を進めた。
街の門の前で、街に入るための手続きを行うレイナ。大きな街になると、こういった事も必要となってくる。
とは言っても、ここは軽い質問と目視でのチェックだけだ。
「こんにちは。」
レイナは、手続きをする門番に、挨拶をする。門番は、それに笑顔を返す。
「こんにちは。今日はどういった用件で?」
「仕事よ。」
「そうですか、お疲れ様です。」
門番に軽く敬礼をされるレイナ。問題はないと見なされたようだ。その敬礼に、レイナは笑顔を返した。
街に入ったレイナは、周囲を見渡す。何度も来ている街だが、来るたびに少しづつ景色が変わり、飽きさせない。
街は森が近いためか、木造の家が目立つ。門のある大通りの両側には、土産を売る店が並び、街を去る人達を誘い込んでいた。
そう言った店が成り立つと言う事は、この町に来る者も去る者も多いと言う事だ。
そんなにぎやかな街の雰囲気は嫌いではないレイナは、周囲を楽しみながら依頼者の待つ教会へ向かった。
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