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朝告げ鳥の鳴き声で目が覚めるレイナ。ベッドから起き上がり、窓にかけたカーテンを開けると、朝日が目に飛び込んでくる。
「今日もいい天気。」
窓越しに雲一つない空を見ながら、レイナは伸びをする。
「さて、準備しましょうかね。」
洗面所に行き、そこに置いてある水の溜まった樽から、柄杓で水を掬い、手洗い桶に移す。
手洗い桶に移した水を手で掬い、顔を洗う。冷たい水がレイナの目を覚ます。
「ふぅ。」
一度桶の水を流し、新しい水を入れ、それに手をかざす。
すると、その水が波打ち始め、少しの粘性を持ち始めた。どうやら、保湿用のローションに変化しているようだ。
「今日もちゃんとできた。」
そのローションを手に取り、顔に塗り込む。それと同時に手にも塗り込んだ。
「これで良しっと。」
残ったローションを片付け、レイナは部屋に戻った。
そして、備え付けのワードロープの前に立ち、扉を開ける。
そこには、昨日のうちに香を忍ばせて置いたローブが掛けてあり、その下には小さく畳んだ布の服と革のスカートがある。
レイナはナイトローブを脱ぎ、服とスカートを着て、寝癖を整える。
「さて、朝ごはん食べてこよう。」
ナイトローブをベッドの上に置き、レイナは食堂に向かった。
数十分後、朝食を食べ終わったレイナは、部屋に戻り、出発の準備を再開する。
荷物をワードローブから取り出し、忘れ物が無いかを確認する。
「忘れ物無し。さてと、チェックアウトしますか。」
ワードロープを開け、心地よい香りのするローブを身に纏うレイナ。
荷物を取り、部屋に鍵を掛け、カウンターに向かう。
「ありがとう、いい宿だったわ。」
そう言いながら、カウンターに鍵を返す。
「またいつでもどうぞ。」
カウンター越しに、店員が笑顔を見せた。その笑顔に見送られながら、レイナは宿を後にした。
町から出たレイナは、大きく深呼吸をする。そして、来た時と同じように杖を取り出した。
「今日も一日頑張りましょうか!」
そう言って、杖にまたがったレイナは、目的地に向けて飛び立った。
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