.:●.:

 一眠りして目覚めたあと、一刻は、近くにあった大きな病院まで男を運んだ。



 それから、再び公園広場に戻ってきた。



 鳩の群れの向こうには、まだ赤い飛沫が見える。

 空中に打たれた夥しい数の点。

 それは、男の体の中に戻しきれなかった、微細な血液の粒だ。



 一刻は、その粒をすべてあまさず寄せ集め、一つの赤い玉にして。


 その玉を、地面に残された女の影に、埋め込んだ。

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