第2話絶対おかしい…
「勇者さ!?おい、何があった?」
「はっ!簡潔に申し上げますと痴話げ…いえ、不貞を働こうとして返り討ちになったと言ったところです」
「は?」
お、あの騎士、妹の視線に気づいた。てか、そんぐらい出来ないとここで騎士は出来な…最初のはノーカンだな。てか王様可哀想だな。王様の身になってみれば、勇者が召喚されたと思って行ってみれば不貞を働いた勇者がいるんだから。
「女性もいるようだが…?」
「そちらの方々は不貞を働こうとした男の取り巻きです」
「すまん。意味がわからない。一から詳しく説明してもらえないか?」
「簡単な事じゃない。そこの男が女の子の髪を触ろうとして正当防衛されただけよ」
「それでは君が」
「違うわよ」
「優恵さんよ、目隠しはやめてくれないか」
また見えなくなったじゃないか。ただ、やっぱり自己主張は控え
「ギブギブすまんかった優恵。だから許して」
「許しますけどなんだったらお兄様の手で成長させてみますか?」
「い、いや、だ、大丈夫だよ!うん!」
「目の動きが不思議ですよ?」
「気のせいだよ。うん」
「オッホン」
「「っ!?」」
「いや、さっきからいたよ?てかお前ら行動似すぎだろ。顔も似てるし、優春が髪を伸ばせば姉妹でも通用すると思うぞ?」
「お兄様、似てるだそうですよ♪ありがとうございます遥斗さん」
「ちょっと落ち着け優恵。それで王様が直々に何のようでしょうか?」
王様実は隠密系の仕事でもやってるんじゃねえのか?咳払いをされるまで気づかなかったぞ?
「君達が当事者だと聞いたので話を聞こうと思って来たのだが…。兄妹で仲がいいのだな」
「ありがとうございます。だそうですよお兄様♪」
「そうだな。でも少し嫌味が入ってると思うぞ」
「そんな訳無いに決まってるじゃないですか。だって王様ですよ?」
これはどっちの味方に付けばいいのだろうか?嫌味に嫌味を返している妹に味方するべきなのか、引きつった笑みを浮かべてる王様。まあ、立場的に考えると王様かな。普通に妹のほうが弁論は強いと思うし。
「すみません王様。まあ、気にしないでください。それよりも当事者は優恵…妹だけなので妹に聞いてください」
「あ、あ「お兄様!?」…。君にも話を聞いていいだろうか?」
「いやだ。っていうのは有りでしょうか?」
「王様。お兄様はあの不思議生物と会話をしておりましたので、話を聞く必要があると思います」
「優恵!?」
「不思議生物?まあ、そうか…では君も話してくれるかな?」
「え?ちょ、めんどく「一蓮托生ですもんね」話します」
「じゃあ、まずは妹さんから話してもらえるかな?」
「お兄様のものである私の髪に触ろうとしてきたので正当防衛をしました。取り巻きに関しては文句を言ってきたので沈めました」
「お、おう…。(異界の兄妹はこんなものなのか!?)」
「(そんなわけないじゃないですか!この二人が異常なだけですよ!)」
「優恵。俺の分も完璧に話してくれたら今日の挑戦権を増やすよ」
説明しよう!挑戦権とは、妹が勝負の内容を決めて勝負をし、俺が勝っても何もないが、妹が勝ったら、どんな願いでも一つは叶えなくてはいけないのだ!小6ぐらいの頃に、アーチェリーで調子に乗って『俺に勝てたらなんでも言うことを聞いてあげるよ!ただ増やすのは無しだよ!』などと言ってボッコボコにされてからこのルールは決まったのだ!しっかりと抜け道を射抜いて来た妹が怖いです。
「今日の朝、お兄様とは別の教室に入った後、不思議生物が話しかけて来ましたが、どうでもよかったので無視して本を読み始めました。ですが、その後も話しかけてきたので『本を読んでいるので邪魔しないでください』と言ったのですが、『本なんか読まないで俺と話せばいいじゃん』などと意味のわからないことを言ってきたので無視をすることにしました。その後、自己紹介が終わった後にお兄様のもとに一秒でも速く行くために、すぐに移動を開始しました。すると、お兄様を誘惑しようとしている女どもを見つけたので、それらからお兄様を守りました。その後はまあ、お兄様も御存知の通りここに召喚されてお兄様と仲良くお話をしていたのに、不思議生物に邪魔されてお兄様がいなくなってしまいました。なのでとても苛立っていたのですが、そこで不思議生物が髪を触ろうとしてきたので流石に我慢ができずに沈めました。私の髪はお兄様のものですので、お兄様以外の人に触らせるつもりはありませんし、今回はやりませんでしたが、次からは殺ります。ああお兄様、今日の挑戦は型無の組手を2回でお願いします」
「分かった。今日こそ勝ち越してやるよ」
「いえ、今日こそ私が勝ち越して、添い寝をしてもらうんです」
組手は今まで色々な型でやってきたが勝ち越したことも負け越したこともないんだよな。
まあ、どんな願いでも叶えるっていうのはおかしいから限度があって、添い寝は勝利2個分だ。一緒にお風呂に入るとかになると勝利5個ぐらい必要だ。限度は二人で決めた。まあ、ほぼほぼ俺が決めたが…
しかも、勝利ポイントは持ち越し不可。
要するに、勝利5個になるには、一日目で勝って願いは次の日の挑戦権の増加→二日目で両方勝って願いは両方次の日の挑戦権の増加→三日目で三勝負とも勝って願いは3つとも次の日の挑戦権の増加→四日目で四勝負全てで勝って願いは全て次の日の挑戦権の増加→五日目で全部勝ってようやく…と言った感じだ。
因みに5ポイント貯められたことが中学生の頃に一回だけある。一緒にお風呂に入ったのだが、流石に恥ずかしかったのかずっと無言だった。まあ、目線は俺のタオルに向かっていたが…。俺は、まあ察してくれ。生理現象を抑えるのに必死だった。流石に妹に欲情したとかになるとまずいから…。わざと負けたわけじゃないよ!?あれは、やり方が分からなくて負けまくっただけだから!
「(やっぱり絶対におかしい。君達の世界はこんなんなのか!?)」
「(確かにおかしいのは大賛成ですけど、僕らの世界がこんなのなわけないじゃないですか!)」
「(あぁ。お嬢様楽しそうでなによりです)」
「…。絶対おかしい」
「なんかすみませんほんと」
「王様。説明終わりましたよ。出来ればこの世界のことを説明してくれるとうれしいです。妹と話をしていてお姫様の話を聞き忘れてしまって何もわからないんですよ」
「そ、そうか。まあそれはおいおいするが、今は移動しよう。あー、不貞を働かれかけた件については此方で処理しておく。と言っても、いくら不貞を働こうとしたと言っても勇者だからそこまでの処罰は出来ないがいいな?」
「王様、そんなことはどうでもいいです。お兄様と組手を早くやりたいのですができる場所はないでしょうか?」
「…。い、今から移動するから待ってくれ」
「わかりました」
「そういえば他の人達は?」
「優春気づいてなかったのか?お姫様が先導して何処かに連れて行ってたぞ」
「変な生物は?」
「変な生物?」
「不思議生物のことだよ」
「ああ!田邉は騎士に運ばれてったよ」
「そう」
「では我々も移動しようか。おそらく娘は修練場に行って魔法や精霊術を見せていると思うから、我々は別行動で行こう。どこか行きたい場所はあるか?」
「組手に使える道具がある場所」
「組手ができる場所」
「どこでもいいです」
「お嬢様に一任します」
「そ、そうか。ならばまずは宝物庫に行って組手に使う武器でも見に行こうか」
「分かりました」
「お願いします」
「じゃあついてきてくれ」
「はい」
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