Excel職人としてブラック企業で働いていたタカハシが死後送り込まれたのは、白いタイルが無限に広がる謎の空間……そこは何とGoogleSpreadsheetの中だった! そしてそこにいる先人の男からタカハシは世界に隠された重大な真実を教えられる……。
「GoogleSpreadsheetsは燃え尽きたExcel職人の魂で動いているんだ」
ちょっと何を言っているかわからないかもしれないが、つまり、本作はSpreadsheetの中の人(worker)として様々な関数を処理することになった男の話である……関数の処理とか、小説でどう表現するんですかね……とか思いたくなる気持ちはわかるが、読めばわかる! これが我々が知らなかった『関数』の正体なのだ!
表計算ソフトという、普通なら仕事上の付き合いぐらいしかなさそうな存在から、これだけの物語を抽出できる想像力を是非堪能してほしい。それとExcelやSpreadsheetsで実践できる様々な『関数』の解説があるので、表計算ソフトをもうちょっと便利に使いこなしたいという人にもおすすめだ。
(「人外な転生物語」4選/文=柿崎 憲)