第5話 後悔と混沌
あれからどれだけ経っただろう。
親に何と言われようと部屋から出ず、単位も評価もそっちのけで部屋に引きこもった。
『大丈夫?どうしたの?具合悪い?』
と先輩から。
『お前あの後大丈夫だったか?』
とハクアから。
『大丈夫?具合悪いの?』
『みんな待ってるよ。学校来なよ。』
と口々に言うクラスのみんな。
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい
余計なお世話だ。
だからみんなに一言こういった。
『うるさい。こっちの気も知らないで。』
なるべく刺々しく、これ以上詮索されないように自分の傷を抉らないように。
楽な方を選んで解決も解消もせず溜め込む。その末路がこの現状だ。それに関しては自分でも分かっている。だからといって誰かに言うことも出来ない。
あの日以来他人のことを信用するのが怖くなった。信用出来なくなった、というのが正しいのだろう。
信じていた彼女に裏切られ、現実を思わぬ形で突きつけられてそれでも信じるなんてそれは狂人だろう。控えめに言って狂っている。正常なはずがない。
現……実……?
そうか、これが現実なんだ。
オタクで、ゲーマーな俺に彼女なんて夢でしかなかった。
むしろ一瞬でも彼女がいたことに感謝するべきなんだ。
俺がオタクなのが悪いんだ。
俺が音ゲーをゲームをやっていたのが悪いんだ。
俺の趣味が悪いんだ。
俺が……悪いんだ。
そうして溢れ出る自己否定の言葉は気づけば涙となり横たわった布団に零れ落ちる。
次々と溢れてくる涙はとどまるところを知らない。
こんなことになるなら付き合わなきゃよかった。
なんでOKしたんだろう。
あの頃の自分に忠告したい。
告白に頷くな、と。
もう自分に残った感情は自己否定と後悔の混沌とした黒いものだけだった。
こんな苦しむのなんてゴメンだ。
だから天井を見上げて虚ろな目で呟いた。
「……死にたい。」
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