第2話 放課後②
「先輩、さっきのどういうことなんですか?」
「ん?どういうことって?何が?」
いきなりなんだろう、とでも言いたそうな先輩。そりゃそうだ。いきなりさっきだのどういうことだの具体的なことを言わずに質問しているのだから。
「あぁ、いや、演技が上手いね、みたいなやつのことです。」
「あれね。演劇部上手いなぁ、ってだけだよ。…………まぁそれだけじゃないけど。」
「え?なんですか。最後なんて言いました?」
「なんでもないよ。もう帰った方がいいよ。一応部活も終わりの時間だしね。」
そう言ってとぼける先輩。いったい何が言いたかったんだろう。
『土日空いてる?』
ふと
『空いてない』
『そっか。分かった。』
どこか素っ気なくて棘のある様な返信にどうしても先輩の言葉を思い出してしまい心配になる。大丈夫だ。好きだって言われたんだ。そうやって自分に言い聞かせて精神安定材料にする。
それでも心配にはなる。嫌われているんじゃないか。忘れたい自分に、戻りたくない自分に戻ってしまうんじゃないか、と。
嫌な予感はしつつもきっと大丈夫だ、と自分に言い聞かせて心配ごと無かったことにする。
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