第五話 三つの革命、二つの閃き、一つの決断
初めに、メル企画にはどんなものがあるんじゃろかと気になり、様子を伺うことにしました。
確か、最初に伺った作品は『たとえ放射状に雨が降ったとしても』だったと思います。
目次を見て、僕はとても驚きました。
……連載式だったってマジ?
それが一つ目の革命でした。
一万文字以下の短編という制約の文を見た僕は、一話の中に一万文字全てを詰め込もうとしていました。
短編はそういうものだと思い切っていました。
その既成概念をぶち壊してくれたのです。
そして、驚いたのは公開日。メル・アイヴィー企画が始まる一週間以上も前に公開され、連載されていました。
未発表かつオリジナルのもの、という線引きがどれほどのものかはわかりませんでしたが、少なくともどの作品もメル・アイヴィーの企画に沿うように作られて公開されていたため、別にルール違反ではないのだと思います。
この辺はよくわからないのであまり触れません。
僕はただ、みんな頭いいなぁと感心するばかりでした。
短編でも連載形式にできる、という新たな知見を得た僕は高揚するテンションを抑えつつ、調べ物を始めました。
それは、Vという文字について。
あきらめがわるく、僕はまだ何かないかと探していました。
何か、何か。
そう思いながら、ウィキペディアのVという文字がもつ意味の欄を下にスクロールしていき、
『インターネット上のチャットや掲示板ではハートマークをvで表す事がある。』
その一文を見つけました。
脳裏によぎったのは、LINEアプリでの会話。
ふざけた会話の中で、「いっぱいちゅき♡」と語尾についたハートマーク。
Vはハートマーク。
ハートマークはラブを表す。
IVVY。Iは私。Yはあなた。
Vは、愛。
……I love you.じゃん。
もはや自動的に変換されていました。
正直「いっぱいちゅき♡」だったかどうかは定かではありませんが、とにかく僕の頭の中ではハートマークはラブという認識がありました。
Vが二つだけど、どうしよう……と一瞬思いもしましたが、別にIVYでもアイヴィーと読ませることはできるだろいけるいける、とこれまた舐め腐った思考回路で納得しました。今だけはこの無駄に柔軟なのか適当なのかわからない頭で良かったと思います。
それが二つ目の革命。
アイヴィーの名の意味が決まった瞬間。
三つ目の革命は、二つ目の閃きでもありました。
短編を製作するにあたり、やはり曲を聴いて世界観を知らぬことにはいかんやろと思い、『X→LIST +』曲を全て聴いていたのですが書く前にもう一度聴いてみようと確認した時、新曲が公開されていました。
それが「Redo」。
ただ『ニア』を文章化しようとしていた僕が、タイムループ物にしようと思った瞬間でした。
これに関しては「作品の方向性が45°くらい変わった」とツイートもしていたと思います。
今思えばかなりナイスタイミングでした。
ここまでくるのに何時間使ったのでしょうか、多分再び書こうと思ったのは午後になってからだったと思います。
「メル・アイヴィー企画夕方頃には投稿したい」などと寝言を言っていたのを覚えています。
四時間くらいで一万文字書き上がるわけねぇだろタコ!と自分に言いたい。
ともかく、三つの革命と二つの閃きにより、僕が書く作品は決まりました。
あとは、書くだけでした。
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