LastMISSION K

 ビール飲んでアレして、邪魔されずに目覚める。最高じゃないか。


「もしもーし! 作戦報告だー!」


 司令室直通で通信を入れてやる。


『報告を聞こう』

「第一区画は殲滅完了、皆殺しにした」

『……そうか、映像通りか』

「あの映像見たんだ、演出つけたんだよ」

『む……次の作戦は決まっているのか?』

「次も何も同じさ、資材くれ」

『分かった、明日には届く』

「はいよ、ああ追加でビールな」


 それだけ言って通信を切った。

 司令室の奴らの索敵能力はアテにならんか。


「今日は散歩するかな」


 いつもの戦闘服バトルスーツに着替えて、装備を携行する。いつもの装備だ。

 外は快晴。

 今日は気分がいい。


「おい、デベロッパー」

『なんだね? Ms.K』

「気分良いから明日新作よこせ」

『お、嬉しいね。山盛り送るよ』

「ふん、専用品にしてやる」


「おい、ドクトル」

『ハーイ、Ms.K。どうしたんだい?』

「戦闘服の拡張パーツはあるか?」

『おや、珍しい。いくつかあるね』

「なら明日送れ、120%引き出してやる」



 最後はコイツだ。



「オペレーター」


『おはようございます、Ms.K』


「殲滅済区画に失敗作は?」


『あら? 四、五匹紛れ込んでますね』


「なら清掃班がヤバイな」


『ええ、ひとたまりも無いでしょう』


「気分いいからヒーローごっこするわ」


『あはは、最高ですね!』


「奴らの通信傍受してこっちに流せ」


『もう375.64で合わせました』


「うわ悪趣味」


『貴女に言われたくないです』



 傍受するとまぁてんやわんやだ。


『何故だ! 何故コイツらが!』

――街には幾らでもいるだろ。


『殲滅された筈だ!』

――紛れ込む奴くらい居るわ、馬鹿が。


『もう駄目だぁ!』

――諦め早っ。


『誰か助けてくれぇ!』

――はいはい。








『おい、行ってやるから持ち堪えろ人間』


















 ――私はK、KILLERのK


 ――いずれまた会おう

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化物少女K -Lazy Swift Sweeper- 物書未満 @age890

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