MISSION10 排除
Aブロックに綺麗な爆炎の花が咲いた。ふはは、愉快愉快。
「Aブロックの失敗作の反応は?」
『四割消えました。残りはそちらへ向かっています』
「まずまずか」
『動きが早いです。目視範囲まで五秒!』
「余裕だな」
おうおう、うじゃうじゃとこれまた騒がしい一行だ。体術だと時間がかかる。
先ずは焼夷ロケットでこんがり焼いてやると失敗作の酷い断末魔がこだまする。
――いつ聞いても気色悪い。
それから鉛玉で蜂の巣だ。
――これなら静か。
近づいた奴をハンドガンで片付ける。
――頭にぶち込むが一番早いな。
「残ってるのは?」
『目視範囲の失敗作だけです』
「それなら、十体だな」
リロードが面倒だし、返り血が気持ち悪い、纏めて鋼糸で八つ裂きにしよう。
一体目に絡ませてから後は作業的に他の失敗作に鋼糸を絡ませていく。失敗作の動きはまあまあ早いが知れている。
丁度十体だからキリがいい。私の鋼糸は対象が指の数までなら極めて正確に操れる。
そうだ、たしか上司にポップコーンとコーラを用意しておけといったな。せっかくだから演出をつけてやろう。
「オペレーター、この映像司令室のメインモニターに映ってるか?」
『メインどころかサブにも全画面ですよ』
「ははっ、奴ら趣味悪くなったのか?」
『いえ、私が全部に流しました』
「なるほど、お前いい趣味してるな」
『それは光栄、モニターには映像切替できないオマケも付けましたよ』
「徹底してるなあ、お前も化物じゃねえの」
『だってこんなにいい映像、見なきゃ損ですから』
「今日はお前と馬が合う、なら最高の演出をつけてやるよ」
「ONE!」
鋼糸を絡めた失敗作を横に並べて宙に放り上げ、
「TWO!」
そのまま叩き落とす。
「THREE!」
次は縦に並べて放り上げ、
「FOUR!」
叩き落とし重ねてやる。
「FIVE!」
跳び上がって五体ずつ振り回し、
「SIX!」
地面に叩きつける。
「SEVEN!」
最後は鋼糸の限界まで宙に放り上げ、
「EIGHT!」
鋼糸を引っ張って八つ裂きだ。
「NINE!」
そして爆弾を宙に投げ、
「SHOWDOWN!」
起爆させて明かりをつける!
こうすれば汚い血の花火が爆炎で映える。
我ながら趣味の悪い演出だ。出来はまあまあ良いと思うが。
「はあ、疲れた」
『お見事、オーバーキルもいいところです』
「言ってくれるなあ」
『この部分、モニターにループさせますね』
「エグい事するねえ」
とりあえず演出は終わった。後は残りのBからEブロックの失敗作を片付けて終いだ。弾薬はまだあるが切れても面倒くさいので宅配を頼んだ。
「オペレーター、アレ頼むわ」
『かしこまりました』
暫くして
「BからEまで一斉起爆してくれ」
『順番にやるのでは?』
「面倒だから一気にやる」
『なるほど。かしこまりました』
BからEに花が咲いた。愉快愉快、さあ消し飛ばそう。
車にビール載せとけばよかったな。
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