MISSION8 設置
地上に下りてから、先ずクーラーボックスを
資材とは言ったがこいつらは一種の電磁防壁発生装置である。使い方はいつも通り、と思ったがコイツ新型じゃねえか。面倒くさいな。
「おい、デベロッパー。こいつはどういう事だ」
『おや、あんたから通信なんて珍しいね』
「知るか。この新型の使い方教えろ」
『ああ、そう言えば全部新しくしたんだった』
「前のはポンコツになったのか」
『そうだね、ボロくなったから予算つけて一新したんだよ』
「ふーん、で、使い方は」
『前とほぼ変わらんよ』
「そうかい。ありがとさん」
『ああ、待ってくれ。装置をモニターしたいんだ』
「勝手にしろ。映像送ってやる」
無線のお友達第三号、デベロッパー。こいつは兵器の開発とメンテが担当だ。いつも新しい装備が出来ると真っ先に通信を入れてくる。
私は別に古い装備で構わんが使用データが欲しいとかで使ってくれと言いやがる。
まあ何でもいい。とりあえず壁作りだ。
「このスイッチか? おお、これだな。んじゃ親機と連動させて、っと」
装置の親機と子機が連動すると赤く光った。後は子機を一定間隔で配置する為に子機を持ってビルの壁を駆け上がり、屋上からぶん投げた。
「んらぁ! 158kmストレート!」
歩いて回るより断然早い。ココは街の端だから扇状にぶん投げるだけでいい具合に壁が張れる。ああ、そうだ拠点の方にも投げておこう。後で繋げて完全に失敗作が入れない様にすれば完璧だ。
『相変わらずの豪腕だね。ドラ1確定じゃないかな』
「野球は見るだけでいい。それより装置はどうだ」
『正常だね。五、六個投げたらしっかり張れるよ』
「そうかい」
デベロッパーの言う通り、五、六個投げてから親機と連動させると隙間なく壁ができた。これで第一区画は完成だ。
「はぁあ、ようやく壁ができた。帰ろ帰ろ、疲れたわ」
『面倒くさがりだけど仕事は早いねえ。区画内の失敗作始末はいいのかい』
「今日はもう疲れたからやらん。明日だ」
『あんたらしいね。まあ装置のデータは取れたから助かったよ』
「はいはい」
さて帰りだ。いつも通り車に乗り、途中でビールを買う。
「ああ、そうだコイツ投げとこ」
子機を一個投げてから拠点に入った。これで拠点は防壁の内側、確実に酒飲みの邪魔を排除、といったところだ。
ああ、さきいか買うの忘れた。
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