MISSION7 準備
ピピッ、ピピッ。
目覚ましの音だ。今日こそ気持ちよく起きれた。うるさい無線が目覚ましなどまっぴらごめんだ。
朝飯食って、顔洗って、朝シャンして、つまらんTV見るとかいう最高の始まりはなかなか出先では味わえない。
さて資材とビールとチョコレートを催促してやるか。面倒くさいし司令室直通回線でいいや。
「あーもしもーし、Kだー。さっさと資材とビールとチョコレート持ってこーい」
ふざけた通信の入れ方である。まあアイツらに畏まる必要などない。
『了解した。しかしビールとチョコレートは聞いていないぞ』
「あ、上司さんか。言い間違えたよ、『冷えた』ビールと『高級』チョコレートだ」
『ぐ……まあいい手配する。資材はヘリ輸送で投下するがそれでいいか?』
「ん、指定ポイント送ったからそこに投下してくれ。ビールとチョコレートは手渡しでな」
『了解した。ヘリは着陸出来ないがどうする?』
「ヘリまで跳ぶからホバリングしててくれ。以上だ」
これで通信終わりだ。さて準備して出撃としようか。
今日も
相も変わらず失敗作が湧いてくるんで轢き飛ばして処分、処分っと。
指定ポイントに着いたら投下した資材を車の荷台に放り込んで設置開始、とその前に大事な事があった。
「ビールとチョコレートはあのヘリだな、よっと」
ビルの壁を駆け上がり、壁を蹴って、丁度良いところでヘリの足にフックショットを打ち込んだ。後は巻き上げてヘリの機体に入るだけの簡単なお仕事お仕事。
「はいどーも、お疲れさん。ビールとチョコレートは?」
「こ、このクーラーボックスの中に」
「おー冷えてる冷えてる。ひい、ふう、みい……おお! 結構入れてくれたね。後で礼言っとくか」
「ええっと、あの、これで足りますか?」
「十分、十分! そうだ一本やるよ、ほれ」
「あ、ありがとうございます」
ははは、コイツ緊張してやがんの。まあ当然ったら当然だ。ホバリングしてるヘリにビルの壁から飛んできたらそりゃビビるわ。さて壁作るか。
「それ飲んでリラックスしな、命令だぞ。上司になんか言われたら、Kの命令で、って言っとけー」
そう言い残してクーラーボックスを担いでヘリから飛び降りた。
降りる時は楽だ。地面まで直線だからな。
カラスミと酒盗も頼んどきゃよかった。
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