ExtraMISSION 飲兵衛
「たっだいまー!っていっても誰もいないかぁ」
オペレーターの出した迂回ルートを辿り足早に帰宅した。
道中、雑魚のはぐれ失敗作に遭遇したが蹴りで跡形もなく吹き飛ばしてやった。
帰宅を邪魔するんじゃねぇ。雑魚が。
オペレーターは拠点内に直通通信を飛ばせない為、今は一人きりである。
窮屈な戦闘服を脱ぎ捨て、ダルT下着無しスタイルにチェンジしたら酒飲みの始まりだ。
「うへへ、ビールがひい、ふう、みい……あれ? もう九本しかないや」
道中で三本程飲んでいた様だ。まぁ良い。とにかく飲兵衛スタイルを整えよう。
さぁ仕上がった。テーブルの近くに冷蔵庫、さきいかと拠点にあった菓子を近くにセット。
ああこれでもう動かずに飲兵衛できる。
「ふはー! 誰にも邪魔されずに録画した映画を見ながらビールを飲んで肴を食うのは最高だなぁ! お、そこだ! いけいけー!」
そうやってビールを飲み進めながら、映画を見ていると催してきた。
「あー、ビールは美味いけど手洗い近くなるのが面倒くさいんだよなぁ」
動きたくない。だが空き缶を使うのはなぁ。何に、と言われたらソレにである。幾らものぐさでもソレはやらない……とまでは言い切れない。
「んん……やっぱり行こ。あーよいしょ、っと」
ちょっと千鳥足で手洗いに行き用をすませた。まだ酔っ払いレベルは低い。
用足しが終わってからまた飲み始めた。ガバガバ飲むのは最高だ。
だがどうもビールが足りなくなってきた。
「げふぅ、やっぱり焼酎買っとくかもっとビール買っとけば良かった」
まぁ足りなくなるのは良くある事だ。こんな時はどうしても追加が欲しい。
「おーいオペレーター」
拠点内の無線からオペレーターの周波数に無線をかけた。拠点内の無線からなら通信できるのだ。
『なんですか。こんな夜中に? まさかビールの買い足しですか』
「ご名答ぅ。近くのコンビニかスーパー、地図に出して」
『全く……』
呆れられたが毎回の事なのでオペレーターも予測していたらしくすぐに位置を送ってくれた。自分でやれないでもないが面倒くさい。
それにオペレーターは暇つぶしにオペレートしているのであまり気にもしていないようだ。
「さんきゅー、買い足し行ってくるわ」
『どうせダルT下着無しスタイルでしょう』
「あったりー」
あんな窮屈な戦闘服は日に2回も着たくない。
とにかく近くのコンビニへ行き酒と肴を買い足して拠点に戻った。相変わらず失敗作が鬱陶しいので全部蹴り殺しての帰宅だ。
「さーて、続きだ続き」
私の一人宴会は止まらない。下らないネット動画で大爆笑しつつ夜中の三時まで宴は続いた。
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