第38話 旧友
——南部フェリスタホテル10
「
今、
自分は強い、負けるはずがない、自分は天才だ、など表には出さないが心の奥底にしまってある感情その積み重ねられた自信が彼女を強くしていたのであろう、だが今の現状その強さの塊は脆く崩れ落ちるかの様に
「……もう、無理だよ」
初めて
その弱い心に反応したのか、ホテル四方に放った式神兵は動きを止める。
するとガチャっと部屋のドアが開く、「……見つけた」っと呼吸を乱し部屋に入って来たのは
「
「これは……気にしないで下さい、そんな事より今の現状教えて下さい……それと1つお願いがあります」
——場所は変わり滋賀第1支部。
「ツッ……」
拳銃を持つ
今、
白コートは
「すみません、ギリギリな状況だったので骨を折り半ば強引に下に向けるしか思いつきませんでした」
白コートの声は少し幼さを残した男の声であり身長から見て10代半ばぐらいであろうと
「……誰だお前」
「誰だと思います?」
「誰だか知らねぇが、俺らの邪魔をするなら始末するまで!」
「うーん、とりあえずは……まず」
白コートはそう言うと
「なっ……俺の糸を……」
「くそっ! なんて逃げ足が速いんだ」
追おうとする
「放っておきましょう、今の最優先事項は比叡山に住む……いや
「ふぅ……どうにか行ったみたいですね」
「助けてくれたことは感謝してる、けど貴方は一体……何が目的で」
すると白コートはフードを外すと切れ長な眼と真っ白な長い髪をした好青年。
「そうですね……急で混乱するかもしれませんが俺が貴方達……陰陽道に協力してあげます、けどそれには条件が1つあります」
得体のしれない男の微笑んだ顔は何を考えているのか読めず少し恐ろしく感じ、
「俺を特待生として陰陽道関東高校に入学させて下さい」
想像していなかった要求に
「どっ……どういうこと」
「まぁ説明は必要ですね……っとその前に」
男はその場に落ちていた木の枝を2本拾い、折れた
「
「その反応……何となくでしたが、やっぱり知ってましたか……呪いを受けたその人物の名前は伏……」
ガチャ
「あっ……えっと、落ち着いて下さい」
男は額に銃口を向けられてもなお冷静に話を続けていく。
「すみません、色々と話を吹っ飛ばして喋ってましたね……、えっと順に話します」
男が陰陽道関東高校に入学する理由……
「まず、
男を拾い、義理の母として育てた
「あっ
男の額に銃口を向ける
「それで恩返しをしたいと思い、お金になる陰陽道になる為に陰陽道高校に学費のかからない特待生として入学したいな! っと思いまして」
「まぁ……わかったわ、それともう1つ……何で関東高校でないといけない理由はなに?」
「そうですね、話を最初に戻しますね……元人間の不死身の鬼……
「……えぇ、これは一部の人間しか知らない筈だけど」
「まぁ、今のはだろうなと言う予想ですよ……、実は
「まさか……!」
目の前の男の額中心から鋭く尖った湾曲の白く輝く鬼の角が額を割るように伸びてきたのであった。
「……貴方の事は信用していいのね?」
「勿論です」
「わかった、関東最高責任者に私から推薦しておくわ……それと最後貴方の名前は」
「名前は
これから宜しくお願いします、先生」
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