第36話 氷華
「
「はい、滋賀第1支部にて遭遇した人物と式神兵が交戦中……すでに2体破壊されています。
それと
「鬼になれなかった欠陥品……か、満たされる事の無い空腹にかられ生者を捕食するという本能しか無い存在の
そいつを式神兵で潰せ」
「
「自分はまぁ顔見知りの眼を覚まさせてくるわ」
っと
その頃、
「私は
ホテルマンに自分の名前、陰陽道での地位が記載されている、陰陽道隊員証明手帳を開き今の現状を説明していた。
「このホテルには放送機能はありますか」
「あ……はい、ホテル内の火災報知器が鳴ると、そこのカウンター横にある緊急放送機器で出来る様になっています……」
「ありがとうございます、協力感謝します」
すると
『緊急事態、緊急事態! 只今滋賀第1支部にて、強力な何者かによって襲撃されているもよう……すでに死者も出ています。隊員は今すぐ1階ホールに集合! 修習生、隊員ではない教師は部屋にて待機、これは
——その放送から10分後ホテルのホールには24人の隊員が集まる。
「さっきの
それを聴き、隊員達は不安の感情のみが渦巻いていた。
「本部にも、どの支部にも連絡が出来ないなんて……」
「1万……こっちは26人ですよ、それにエージェントの式神兵が破壊されている敵に生身で戦える訳がありません……」
「それに私達は……まだ隊員になってまだ1年目の新人の集まりですよ」
不安からの弱音……陰陽道の隊員であろうと元々は普通の人間、今の現状この心情の方が人間としては正しい反応である。
「やばい状態だよなぁ〜無線もケータイも何処にも繋がらへん、死者も出てる状況やこんな事きいたら不安になるやろ、でも自分らは陰陽師やこの世をこの身を賭してでも守ると誓ったんや今はここにいる皆んなの為に戦うんやろ、それが自分らの仕事や……っと言ったものの酷な事を言ってるってのは分かってる、だから今は特例で逃げてもええで」
「なっ……
「なんや、無理強いで戦わして隊員を死なす訳には行かへんし……まぁこれ死にに行けって感じやろパワハラやん。
ええで自分は1人でも戦える」
すると1体の式神兵が
『すみません
「うおっ
『確かにこの数では不利ですが私に策があります』
すると式神兵は符に戻り、ビュンっと何処かへと飛んで行く。
「えっ……おい、まだ策聞いてないけど……」
それから3分後、式神兵は
シュルシュルっと
「はぁ……はぁ……急に部屋で襲われたから殺されるって思いましたよ……」
『ごめんね
——「魔力解放……
パキッパキッと水が凍っていく音と共に氷のドームがホテル敷地内全体を覆う。
「ふぅ……雨のお陰でいつもより強度な氷になってますよ 出入り口は1つだけあそこに作りましたよ」っとホテル入り口から真正面を指を指す。
「これは……凄いな……」
氷のドームによって雨風がしのげ、四方から来る敵も1箇所に絞った様なものであり、数の有利を覆す一手であった。
だがこれで終わりではなかった、これから
「えっと、それから」っと
「
氷のドームの周りにさらに特大氷のドームを作りこの辺一帯を
「
『……確認しました、今場所を報告します』
「早いですね……」
半径数キロの範囲にいる一般人を
『一般人183人いけますか?』
「大丈夫ですよ、大体の場所が分かるなら問題はありません」
すると
「
特大ドーム内の空気中の水分がパキッパキッと音を立て空中に浮く無数の氷の槍を形成する。
氷の槍は勢いよく落ちる事により300キロというスピードで
一瞬で破裂する為、悲鳴などは無くドンっと氷の槍が地面や岩を貫く音、パンッと弾ける音のみが響きあっていた。
その場にいた隊員はただ呆然と今の現状を観ていた。
「ふぅ……もう魔力がここの
『
「ふぅ……」
「おっと……大丈夫?」
倒れそうになった
「これで
「僕達の正体を……」
すると
『待って下さい、まだ1体残っています……』
すると
「分かった、
「何を……何を言っているんですか
「
『何故ですか……』
「自分の戦いにはあんたらは足手まといになってしまうんや、だから堪忍してや」
「『……了解しました』」
——「いやー氷の槍には驚いたけど、僕は何故か守られてるし、
魔力名【
身体は変幻自在の液状化にするとが出来、またこの世に存在しないとされる不純物が全くないH2Oの集合体。
不純物が全くないH2Oはマイナス45度でも凍らないと言われるその為、
「いいね〜
するとコツッコツッと靴の音が暗い夜道に響く。
「あら、
(へーこっちを選んだか……それにしても中々早かったなぁ、でも1人で来るとは思わなかったよ)
「……なぁそこに隠れてんのは……
「ありゃ……流石です、
「なんや、知ってたんか……そうなると
すると
「何が目的や」
「おーこわ、えっとーそれはですね3つありましてね」
1、人類鬼神細胞実験。
2、滋賀第1支部にあると言われる比叡山に住まう強力な
「そして3つ目は
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