第33話 暗影
6月15日15時00分
ガチャと滋賀第1支部内にある医務室の扉が開き、「失礼しました」っと
「おっ
「
「引き分けだよ、引き分け! でもまぁ負けなかっただけいいんじゃね?
まぁ賭けには負けちゃったけどねー」
その柏の言葉に
「賭け……? 2人共それはどういう意味ですか……」
「僕達さー関東高の女の子を1日奴隷にしたくてさーこの試合の勝敗で賭けてたんだよね」
「何言っているんだ!
「痛い痛い、痛いよー
「だって全て本当の事じゃないか」
ギュッっと心臓を握り締められる感覚陥っていた、
するとその話を聞いていた
「……チーム皆んなの為とか言って、結局は私達は貴方の私利私欲の為使われたに過ぎないんだね……」
その言葉に
「あっ……当たり前だろ! 俺の成績、今後の出世にお前ら下の人間を使って何が悪い! お前らは俺に使われて無かったらここまで来れなかった筈だ!」
その言葉に
「あーあ
「痛ッ……フフッ
するとブブブッと
「ごめん
——周りに誰もいない通路で
『了解、それじゃあ俺らも行動始めるわ』
「はい、よろしくでーす」
『やぼな事聞くが、本当に良いのか? 仲よかったんだろ?』
「何言っているんですかーあれにそんな感情はありませんよフフッ」
『お前本当に恐ろしい奴だな……まぁ分かった、じゃあまた後でな』
プーップーッ
「あぁ楽しみだなぁ」
——18時03分生徒達はホテルに戻る為のバスへ乗り込んでいく。
「ちょっと早くバスに乗りなさい、
すると
「
「何言ってるんですか! これからまた雨が強くなるんですよ、傘も無しにずぶ濡れで帰るつもりですか」
「あぁ、そのつもり……」っと
「ちょっと待ちなさい!」
すると
「まぁまぁ
「陰陽道の基本は団体行動! そんな自分勝手は許せません!」
「先生……良いじゃないですか」っと
「そっ……そうね、
「そうですよ……先生」
そしてバスは出発する——。
18時40分次第に雨、風が強くなっていき、大量の雨水が
靴の中にも雨水が浸水しており、ベチャッベチャッっと音をだしながら一歩一歩、歩き続ける。
『
「くそっ! くそっっ!!」
「おやおや、こんな所でどうしました? 風邪をひいてしまいますよ」
顔を上げると、目の前には全身を黒いレインコートで身を隠している、身体付きから見て男性が立っていた。
男性はしゃがみ込み、
「どうしたんだい、そんな酷い顔をして何か抱えている事があるなら私に話してみないか?」
「誰だ……お前、それに得体の知れない奴になぜ話さないといけない!」
「おー怖い、いやね知らない人だからこそどんな事でも言えるんだよ、多分だけどね君が今苦しみから解放出来る事それは心の中の感情をさらけだすことさ」
「……」
それから
「おやおや、そうだね君は悪くない! 君は間違って無いさ妹の嫉妬は優しい君に向けられた周りの心無い大人の所為、チームの子達は分かって無いんだ君がいなくても強いと錯覚していまって……上の者が下の者を使うのは当たり前の筈なのにねぇ……」
「そうなんです……そうなんですよ、あいつら、あいつらが!!」
「どうだろ復讐っていうのはなんか違うと思うけど、皆んなに自分達の愚かさを分からせたいとは思わないかい?」
「どうやって……」
「簡単さこの注射器を腕に刺し体内に液体を流し込めば良いから」
男はレインコートのポケットから赤い液体が入った注射器を取り出し、
「これ……大丈夫なんですか?」
「大丈夫さ! この液体はね筋力が上がるだけではなく……なんと体内で魔力が作られ、君が欲しかった魔法が使える様になるんだ」
「魔力……がっ」
今、
「欲しいだろ?」
「身体は素直だね、いいよこれは君にプレゼントだ」
男はその注射器を渡すと、立ち上がりその場から立ち去っていく。
「これがあれば……はぁ、はぁ」
右腕を伸ばし注射器を構える、注射器を持つ左手は今更になり恐怖で震え出すが
「はぁ……はぁ……」——
19時56分南部フェリスタホテル入り口ホール
「ごめんちょっと、遅いから途中まで迎えに行ってみます」っと
「あっ……危ないよ」
「そうだぜ
「でも……ごめん」っと
入り口を出るとバスロータリーの端に
「
「なっなっなんで、私が
「いやいや、もう皆んな気づいてたから」
「そうでしたか……まぁそうですよ、あんな事言われても私は
「はいはい分かった、ほら早く迎いに行ってやんなよ」
それから10分後
「あっ
「あいつは……
「どうしたの!
『うるさい、うるさい……お前なんか、お前なんか!!』
——お前なんかもう要らない——
ザシュッという斬撃音と共に最初の犠牲者の首が飛ぶ。
悲鳴、断末魔は雨の音にかき消され血液は雨で流せれていき、周りを血の池と化していた。
「痛くない……もう痛くない、人を殺したのに心が頭がスッとした感じだ最高だぁあいぁんああ……」
その瞬間、
「あぁぁぁあいあぁぁー!」
するとこの光景を先程の黒いレインコートの男が物陰に隠れ観察していた。
「あらら、やっぱり意識を保つのは無理でしたね、全身鬼化が始まりましたね……まぁいいでしょう、じゃあ次は戦闘実験に移りますか……
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