第29話 混戦
城内1階
ドォン、ドォンと2階から戦闘音が響く。
「あらあら、もう戦闘が始まってますね。
地形図も書き終わったしー
制服を着崩し装束品をジャラジャラと着け髪をオレンジ色に染めた男が軽いノリでのスタンスで提案してくる。
「いや、
「おっ! あの作戦を遂に結構する訳だな」
「あぁ、それと
「あ〜これね、それにしても
「そっそそそうだよね、ぼっ僕もこんなの見た事無いよ……」
背が低く、水色の少し長め鼻の付け根まである髪で目を隠し常に挙動不審な振る舞いが特徴的な少年、
正直何故、
「
「んぎゃぁ!」
「大丈夫だよ、
心配し過ぎだよ」
「僕は2回しか使って無いけど……そぅ……だよね」
「それじゃあ時間も無いし、俺らも行動するぞ」
「了解」
3人の息のあった返事と共に全員が一斉に走り出す。
同時刻4階、
「ほい、地形図完成したぜー」
「お疲れ様です、けど出来て早々で悪いですが兄さん達が行動を始めました。
こちらも早く動きまし……え……っ」
「どうしたの
「はい……大問題です、
次から次へと異例な事が起き、冷静な
「なんだそれ? じゃあ俺達はどうすればいい訳だ?」
「待って下さい……」
(何か……何か策は……)
「……とりあえず、私達は別行動を避け3人で
「分かった、じゃあ先頭は俺が行かせてもらうからなー」
先頭に
「
「いえ、私達は遠回りで行きましょう……、兄さん達は先に行動しています、それに一度試合で見せた脚力を増幅する符で、すでに近くまで来ている可能性は充分にあります。
もしかしたらですけど……穴が開いている事を知られていたら降りた瞬間挟み撃ちに合う可能は充分にあると思うんです。
だから、3階のそこの場所からかなりの遠回りになる様に」
宇多は地形図を指差し
「この階段で下に降ります、
「あんまよく見えないけど……まぁ何と無く分かった! 」
「はぁはぁ……」
「あらあら、
「大丈夫よ! こんなに全力で走ったら息位誰でもきれるでしょ……」
「2人共階段はもうすぐです、いざって時の為に直ぐに戦闘できる様準備しておいて下さいね」
「へーい、それとさ……俺だけかなぁこの辺少しガス臭くねぇ?」
「ガス……?」
その瞬間床がボコッと盛り上がり周辺に亀裂が入る。
『
床が赤く染まり徐々に赤から黄色、黄色から白へと変色していく。
「——ッ2人共!! 今直ぐ全力の
「なっ! いきなり……爆撃かよ!」
3人は
ボォォォオン!!
大きな爆撃音と共に4階、
——同時刻城内2階
カキン、ガン、キン……ガキン! と刃と刃がぶつかる音が鳴り止まず、一手一手渾身の力で刀を振っておりぶつかるたび火花が薄暗い城内をほのかに照らす。
それに反射神経が良いってものではなく、これは予想が……いわば勘が鋭いものだろう、この2人の戦いに加勢することおろか……この場を動く事すら邪魔になってしまうのでは無いだろうか……。
「くっ……素早く背後を取ったとしても、フェイントをかけたとしても
「いやいや、君は強いね〜僕が防戦一法なんだからね」
すると、奥からトタトタと誰かこちらに走って向かってくる足音。
「はぁはぁ、
「
「そうだよ
「そうか……
そう言うと
「流石に
「……分かった」
僕と
「いやー本当、
「あっあああっいや、そんな事言ってれて嬉しい……——ぐぁはぁ!」
「なっ……!! 奴は何をしているんだ」
「——ッカァ——なん……でぇ」
「
仲間の苦しむ姿を見て笑う
「フフッフフッ……ぐっ……ぇ」
その時、
「あぁ? てめぇ
先程まで挙動不審が目立ち、悪く言うと陰陽道に似つかわしく無い存在の少年は、口調、態度だけでは無く、目には見えないが全身から漂う威圧感というものが2人の体を抑えつけている感覚に陥っていた。
「フフッ……ごめんね、君じゃ無いと勝てないと思ってさ……ちょっと強引に……ね」
「はぁ? だからってやり方ってもんがあんだろうが」
「本当ごめんって許してよ
「チッ、後で
「うーん死ぬのはちょっと……土下座で頭踏まれる位で許してくれない?」
「しょうがねぇ、それで許してやるよ」
そう言うと少年は
「悪いな待たせて、じゃあ再戦しようか!」
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