第28話 開戦
前日6月14日22時05分
僕達は最後のミィーティングをしていた。当然僕と
「なーちょっと質問いい?」
ミーティング中盤頃、
「
ルールにある使用符3枚というのは
僕が符を2枚しか装備しない理由、それは僕の右手に着けている手袋の中に打撃振動波符という強力な符を装備している為である。
一応これを知っているのは
取り外す事も出来ない、説明するには色々と問題が出て来そうな為、チームメイトにも黙っていたのだが……さて、どう説明しようか。
「それは……えっと……」
言葉が出て来なかった、皆んなが納得出来る言い訳……。
その時見かねた
「皆さんはここにいて下さい、ここでは
そう言いガチャっと扉を開け廊下に出る。
「ふぅ、これで2人っきりとはいえ、共同通路なので小声でお願いしますね。
じゃあ率直に聞きます、今の事は
「うん、そう正解だよ……」
そして僕は
「そうですか……まぁそれでもやり様はありますよ」
——時間は戻る
「試合開始」と城内に響く合図。
【最初地形図作成は
それで兄さん達に爆発をさせない様に場を掻き乱して下さいね】
【でも……城内は迷宮化している、地形図も無しにそんなに早く降りれる自信は無いけど】
開始同時に地形図を作成する4人から出来るだけ離れた所まで移動する。
「この辺りなら皆んなの邪魔にはならないだろう」
スーッハァーっと深い深呼吸の後強く握った右手拳を振りかぶり、腕はどんな物でも破壊する強靭な鋼であるとイメージしながら、今立っている廊下に拳を叩きつける。
叩きつけた拳から放たれる衝撃波はパァァンっと鞭が空気を叩くかの様な大きな音とともに廊下を粉々に砕き割る。
【地形図なんて
だからその符、使える様にしておいて下さいね】
理には適っているけど、
さて3階には来れた、次は少し離れた場所に移動して……この辺りでいいだろうか。
降りて来た場所から入り組んだ城内を50メートル程移動し、離れた場所でもう一度廊下に向けて拳を振りかぶる。
その
「えっ……どうして、そんなに早く」
地形図を作成しながら、
「どうした
「なんでそんなに正確な場所まで……」
すると急に
「どうしたの
「すみません、うだうだしていた自分に喝を入れてました。
では今の現状を説明します、今2階で
「
「1人です」
「分かったじゃあ、
この中だったら1番足が速いのは
「……分かりました、それでは地形図を途中で良いのでここに広げて下さい」
「良かった、
黒子さん今私が指した場所が
そして2階のこの辺りで今戦っています」
「了解した! じゃ行ってくる」
強く廊下を踏み込み勢い良く飛び出した……瞬間に停止しこちらを振り向き
「
「へいへい、わーかったから早よ行けー」
そして時間は数分巻き戻る。
パァァン! 3階に響く空気を叩くかの様な音、
「よし、後少し……」
すると背後からこちらに近く足跡……。
「ハハッすっげーうるせー」
そこには糸目で顔に染み付いたかの様な悪意を感じさせる笑顔、僕はこの男に1度会っている。
「久しぶりだね、
低い体勢のままステップを利かせ柏の腹部めがけブローを叩き込む。
「ハハッ、いきなり攻撃するなんて危ないなー、まだ僕の話し終わってなかったよねぇ?」
「あそこから避けれるはずが……」
「無い? そうだよなぁ〜でも僕の眼には君がよーく見えているんだよね〜フッハハ、さてじゃあ僕も反撃してみようか」
ドォンと地面を蹴る大きな音が鳴った瞬間だった、気づかなかった……いや速すぎて反応が出来なかったのだ、伏見が気づいた頃にはもう
壁に叩きつけらる。
「——カッ……はぁ」
「あらあら、声も出せない感じ? ハハッ
「おっとあぶね〜」
「なっ今のを避けるか、なんと感が良いのだ」
僕の目の前に現われたのは小刀を両手に持ち、長い黒髪をなびかせ戦う
「情けない姿だなぁ
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