第19話 明明
6月11日合宿1日目
バスはホテルの入り口前で止まる。
「皆んな着いたでー、どや凄いホテルやろ滋賀で一番って言っていい程のえらい高級ホテルやぞ」
南部フェリスタホテル、和と洋を一つに合わせた斬新なホテルである、部屋は20階まであり、10階から上は旅館の様な座敷の部屋になっている。
フロントに入ると最初に目に付くほどにキラキラと凄い存在感を放つシャンデリアだった。
学生の合宿でこんな高級ホテルを用意する何て、この合宿全体でどれだけのお金が動いたのだろう少し陰陽道の考え方に身震いする程このホテルは僕達には場違い感があった。
「
「ここのホテル露天風呂があるらしいぞ! ホテルなのに珍しいよなー」
「……あぁ、そうだね」
「これはあれだな、定番回ってやつだろ!」
「えーっとな君らの部屋は12階と13階に2人部屋を用意しとるから、部屋決めは君らに丸投げしてええ?」
1クラス5人のチームなのに1部屋2人か……。
「黒子はイリヤと同じ部屋ではないとダメだ、でないとイリヤが心配で夜も寝ることは出来ぬ!」
「……はぁ、そういう事らしいから私は
もう、慣れたのか諦めたのか
「まぁ必然的に僕と
「
「それは死んでも嫌です」
「ははっ……軽い冗談だったんだけど、こんなに傷つくとは思ってなかったよー」
「さて、
「
「えっ……?」
「あんまり苗字で呼ばれるの好きじゃないから、
あの
「本当に俺の扱い方酷くない? あの……ってなに! それに俺だけフルネームで呼ぶのやめてくれない?」
「分かったよ
「イリヤが呼ぶなら私、
「あっ……無視ですか」
少し
すると「宇多ちゃんー」っと遠くから1人の少女が走ってくる。
例えるなら
「
「学校広いから仕方なよね、でもね私もね最近気づいたの!
その時ね嬉しかったよーまた一緒に学校に通えるんだーって」
「
「うん、そうだよー」
「イリヤさん
「逆に
「あー俺も思い出した、ニュースで名家の子では無いのに天才とか言われてた確か……符術魔法が使えるんだよな」
「うぅそんな事皆んなの前で言われると恥ずかしぃですぅ〜」
本当にこの世の中は見た目だけで人を判断してはいけないな……。
でも困ったなその天才、
「あっそうだ、
「いや、まだですよ」
「じゃあ私と同じ部屋になろー、
でもこの人がいたお陰で
そして僕達の話し声を聞きもう1人こちらに近づいて来た。
「あれ〜、もしかして
「……兄さん」
「あははっ! 本当に
……なんだろう。
「何か用ですか」
「そうだなぁ」
身長180ある大柄の体格で
「お前、調子乗ってんじゃねーぞ。
お前みたいな才能がない奴は帰れよ、いるだけで目障りなんだよ」
「お前いきなりなんだ!」
「ああ、誰だてめぇ」
……この感情は。
「貴様イリヤにてめぇだと、今からその口黙らせてやろうか」
……でもそれはどうでもいい。
「まぁまぁ皆んな落ち着いてー」
「そうだよ、皆んな落ち着いて。
だけど
今はどうも感情だけで体が動いている。
「存在意味がねぇ奴に——ッ」
「てん……めぇも誰だよ! なにしやがる」
「挨拶なしで初対面の人を殴った事はいけない事ですね、だけど謝る気は無いです。
僕は貴方が嫌いだ、宣言します貴方みたいに弱い人間はどうやっても僕達には勝てませんよ」
「てめぇら下等人種が俺に勝てるわけねぇだろうが……そうだなぁ賭けをしよう
てめぇらが勝ったら俺は二度と
「お前! 何を言ってるのか分かってるのか」
「ああっ! 絶対勝てるんだろう、じゃあいいじゃねぇか」
「ちょっと
それにずるいじゃないか僕にもその賭け混ざっていい? 僕はね
「
じゃあ
「ん〜、そうだな皆んなが今まで見たことの無いものを見せてあげるよ」
「なんだそれ、まぁいっかじゃあプログラムによると5日目に俺らが当たるらしいからまたその時にな」
「ごめん
「良いんです、私は逆に感謝しています」
「私もなんかあいつ殴られるの見てスッキリしたし」
「イリヤも黒子と同じ事を思っていたのか、やはり気持ちが通じ合っているのだな」
「いやーこれは頑張らないといけないなー。
皆んながあんな奴に汚されるなんて、うら……許せないしなー」
「なんか私も賭けの対象になってましたね、っという事で皆さんファイトですぅ〜」
皆んな有り難う……。
——「そう言えば
「えーやっぱり気になってたんだー。
そうだねぇ科学の進歩かな?」
「全然意味がわかんねぇ」
「まっ後々分かるよ!
「……? なんか矛盾してね」
「そうだね、あははは!」
「
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