第16話 崢嶸
6月5日7時50分
「……先生」
「あら、貴方から話しかけてくるなんて珍しいわね
早くしないと朝のホームルーム始まるぞ」
「——」
「……急にどうしたの、それは今じゃないとダメな事?」
「——」
「分かった……校長には私から伝えておく、……もう行くの? 最後に皆んなに……」
「そんなのはいらない……」
何かを決断し、
その先が黒で染まった間違えた道で分かっていたとしても
——ホームルームの鐘がなる。
「みんなーおはよう、今日は体育祭の種目の出場者を決めてもらうからね。
それと一つ大事なこと……スケジュール的に今日中に出場者を決めないといけない事になってしまったので今ざっとだけど種目の説明するから5時間目まであらかた決めておく様に」
「先生!」
「何だ
「
「……あぁほんとだな、サボりじゃないか?」
この時教室では違う考えを持った2つの人種に分かれていた様に思えた。
声には出していないが、素直に
いるだけで場を壊しかね無い不良がいなくなり、気が楽になったもの。
僕達は人間だどんな様々感情を持ち合わしている、一概に君の思っている事は間違っているとは断定する事は何か違う気がするが、これだけはと言える事が1つ……どんなに心配していても思っているだけで行動しなければ人でなしなのである。
そしてこの僕でさえ。
それから
僕はまだ
——「さて、今から体育祭の種目の出場者を決めようか。
じゃ
「分かりました!」
僕から見ると完全な丸投げ感しか感じられないが……
「じゃあ皆んなとりあえず希望する種目に挙手をしてくれ、とりあえずうちのクラスは生徒数が少ない分全員出場する事になるからな」
体育祭……、通称【
各所にある八つの陰陽道学園より1学年につき1組を選出し他校と競い合う、一週間をかけて行われる大規模な祭である。
種目は5競技
入り組んだ迷路の様な城内で5対5の掃討戦
勝利条件は至ってシンプル、相手全員を気絶させる事ただ一つである。
5種目の中で最も過酷な競技である。
ランダムで決められたフィールドで3対3の対抗戦
リーダーを決め背中に的が描かれたゼッケンを着る、ルールは的のゼッケンを着ているリーダーを倒す事。
5〜7名参加の全クラスでの競争戦
障害物は毎年違うのだが、毎年最後の障害はどの競技にも出ない学園生である。
この時点で生徒数が少ない6組は大分不利な状況である。
3人1チーム全クラスでの点取り戦
使える武器はスナイパーライフルのみ。
競技の中で一番大きなフィールドで競う、基本ポイントが書かれた
ポイントがそのままクラスの得点に加算される
3人1チームで一対一の決闘戦
トーナメント式で対戦していく、ルールはなくどんな事をしてでも相手を気絶させれば勝ちとなる先に2勝した者が上に上がる。
毎年クラスのトップクラスの生徒が出ていた事が多かった為体育祭の花形と言われている。
僕達のクラスは良い意味で素早く決定力があるのかもしれないけど、悪い意味でクラスのはみ出し者への疎外感が半端無いな……。
なんか色々と言っていてよく分からなかったが、気付いたら
それに後2人誰も立候補が立ち上がらない。
ボソッとこれが聞こえた
「3人でやればいい……」
誰が言ったか分からないが、まぁどうでもいい事か……
「わりーなぁ……俺のせいで
陰陽道という特殊な高校でもやはりイジメの様な事はあるんだな、それはそうだ皆んな中身はただの16歳僕達はまだ子供なのだ……
「皆んな止めろ! 確かに
さすが委員長って所かな
「3人共なんか悪かったな……」
「いいですよ、そんなこと言ったってこの関係は変わらないと思いますからね、いいですよ私たちは3人で競技に出ても、それとも貴方が入って頂けるのでしょうか?」
「くっ……」
「どうしました? 寛大な委員長様私を睨みつける顔がとっても恐ろしいですね」
「はぁ……良いよ私が
確か……
「私、そう言うイジメみたいなの嫌いなんだよね」
「おぉ! イリヤが行くなら
「
はぁはぁと
「ななっ! 駄目なのですか……」
異常な位ガッカリ感を出して来るな……
「貴方達同情なら……」
「勘違いしないでね同情なんてしてない、私は差別みたいな行為が嫌いなだけ。
これを早く終わらせる方法、貴方達と仲良くするそれだけ」
「イリヤが行く所に
分かった
——「さてと種目は決まった様だな、じゃあ来週の予定を伝える」
来週? まだ週初めの火曜日もう来週の話をするのだろうか……。
「来週一週間、各種目ごとに県外の合宿場で他校と体育祭合宿をしてもらいます」
クラスがざわつく、それはそうだ他校と練習が出来るこんな機会はそうも無い。
皆んな待ち遠しいのだ……
「じゃあ来週の月曜日朝6時東京駅新幹線乗り場で待ち合わせな場所はその時伝える
迷子は時間のロスになるから待ち合わせの細かいマップをケータイに送っといたから遅れるなよ」
皆んな浮かれているな……
——6月5日21時30分東北のとある場所
「待ってましたよ
「黙れ……それより本当だろうな」
「はぁい、もちろん
「証拠は……」
「大丈夫ですよ、今私達の技術の賜物コールドスリープで生きておられます。
ほら、その写真です、フフッそれにしても良いんですか陰陽道やクラスメイトを裏切ってまで」
「良いんだ……これが俺の考えた結果なんだ」
「そぅですか! 貴方を歓迎します
深く深く真っ暗な闇に落ちて行く、もう自分の力では上に上がるののは不可能であろう……多分俺に光はさす事は無いのだろう。
俺を心から良く思っている人間なんているはずが無いのだから……。
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