第8話 式典
——【
【
それでも良ければどうぞ御自由に、私が必要なのは貴方の兄の
【にいちゃん……】
——「くそっ入学式の朝にこんな夢……」
4月1日10時、
式典などに使われる大型体育館に全生徒7千人が一同に集まる。
「これまた今回の新入生はやけに少ないな……」
「今年は何人くらい辞めて行くんだろうか……」
耳が良くなったのも考え物だな……聴きたくないものも聴こえてくる。
陰陽師は年々数が減ってきている。
ここ500年魔力を使えない人間が減っているのが要因である。
今現在ではSDTが無ければ戦えない人間はほぼ100%と言っていいほどであった。
だが、最もの要因は自分の命を張ってまで他人の命を守る人間がいなくなっている事であった。
学校に入学するものは半分は武器やSDTを使い為だけのミーハーが占めている現状であった。
今SDTはネットの世界では機能など調べられるほど情報が漏洩していた。
「皆さん入学おめでとう御座います。校長の天城テンコと申します。」
天城さん? 確か前会った時は身長が70cm位だった筈だけど、今はどうだろう180位はあるし喋り方も別人みたいだ……。
「……であるからして、貴方達が世界で活躍する陰陽師になる事を願いSDTを贈呈させて頂きます。」
「待ってました……」
「俺はこの時の為に勉強してきたんだ……」
「校長先生の話長かったなぁ俺寝ちゃいそうだったよ」
聴こえてくる声……人間というのは自分の欲に正直だと痛感する。
いや、人間に限った話ではないか、ネズミでも獅子でも生き物は食料の為に仲間を殺す事だってある話じゃないか。
それに比べて鬼はどうだ、鬼童丸のようにイレギュラーはあったが、
SDTができ、人間側が圧倒的有利にも関わらず鬼に勝てないのはそういう事なんだろう。
「……
「おい、
「えっ……」
皆んなこっちを見ている……
「あっ……はい!」
壇上し、天城さんの目の前に立つ、すると小声で。
「いやー
受け取った後の言葉覚えてる〜? いくよ〜言うよ〜言っちゃうよ〜」( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
あぁ……間違いなく
「
「人類の発展の為、陰陽師候補生として厳格なる姿勢で取り組むよう精進致します」
「貴殿の未来に
そして全1学年1400人にSDTが渡り、式は終盤に差し掛かる。
「全校生徒起立!!」
男性教師のドスの効いた声が響き渡る。
「1学年SDT装着! 全学年敬礼!」
そして最後に天城校長から怒号のような口調で僕らに言葉を投げつけて来た
「最後に一言……、どんな時でも生きる事を諦めるな!! 以上! これを以って入学式を閉式とする!」
気迫で全身が痺れる感覚に陥っていた。僕の周りの大人達はどこか手の届かない場所にいるように思た瞬間だった、簡単に言うと『尊敬』だ。
——13時30分無事入学式を終え、新入生は各自自分のクラスでホームルームが行われた。
「ふぅー、なぁ
「うん、本当に凄い人だね」
「はい、皆んな静かにして〜」
パンパンッと柏手を打つとクラスのみんなは静まり先生に注目する。
「皆さん入学おめでとう御座います。貴方達は晴れて陰陽師見習い【
さて、それでは……皆さんお待ちかね! 符と無線機を渡しまーす!」
「キタァァァァ!!」
クラスの気持ちが一瞬で団結したようだった。
パンッ!
柏手を一つ、数秒前まで盛り上がっていたクラスが一瞬で我にかえる。
「出席番号で呼ぶから、呼ばれたらここから好きな符2つと無線機を選んで私から指示された個室に入ってから符をセットして来て下さいね」
……?何故個室に行く必要があるのだろうっとクラス全員が思っているだろう。
「後、一応用意した符を説明するね」
○
術者の半径30キロの範囲から自分が探したい人物を探索出来る。
○
全世界の地形図を細かいところまで、念写する事が出来る。
○
反射神経が向上される。
玄人になると四方から飛んでくる銃弾をも避けられる様になる。
だが、体を鍛えていなければ頭で考えて動いでも体がついていかない場合がある。
○
跳躍の高さ、距離が向上する
だが、
○
右手で触れた人や物に特殊な刻印を刻む。相手にその刻印がある限り常に相手の場所が分かる。
刻印を消す場合は左手で刻印に触れる。
○
ただ聴覚が向上するだけではなく、周りの音波を読み取り相手の行動まで分かる様になる。
「明は何にする?」
「
「以外なところだね、
「敵と戦うならまず地形を把握しろって前習ったからね。地形を活かして戦えれば格上の相手にも勝機はあるってね」
「へぇーいい先生に習ってたんだな」
まぁ目の前にいるんだけどね。
一応この事も秘密しておこう……、後々面倒にある気がする。
「
「俺はじゃあ
……?
「
「おっ呼ばれた! じゃ、お先」
そして出席番号25番僕の名前が呼ばれ符を選び個室へと入る
個室には真ん中に椅子と椅子の前にバケツの様な物が置いてあった。
……?ここに来てもなお、この個室の意味が分からないままであったがとりあえず椅子に座り符をセットする。
「先ずは魔力封印符から……」
ガチャ……
符をセットすると体中に電気が走る感覚の後、脳に到達すると強烈な頭痛や目眩、感情が声として漏れていく
気持ちが悪い
やっと分かったその為の個室とバケツか……これはトラウマ物だ
数分すると痛みは消え、符の効力を実感する事が出来た。
聴覚、視力、嗅覚などが人間であった時に戻っていたのだ
「これをセットしていれば不老不死ではなくなるのかな」
ブウゥゥゥン
スマホのバイブレーションがなる、
『今頃、魔力封印符の効力を実感してる時だろうけど魔力は消せても呪いまでは消せないので、その符をセットしても君は不老不死でーす』
全て考えてている事はお見通しって感じのメールだな……
そうか……やっぱり僕は死ぬ事は出来ないらしい。だけど今はそれでいいこの力は後々必要な力になる筈だと
今は前向きに、前向きに考えていこう。
今現在問題なのは、このトラウマ物の体験を後2回しないといけない事だ……。
——「はい、皆んなお疲れ!」
何だか皆んなげっそりしたな……まぁ仕方ないか、僕だって出すもの全て出し切った状態だ……
あの
「それでは皆んな無事、符をセットした事で明日2対2の模擬戦をやります。
今日中に好きな人とチームを組んで作戦を考えて来てください。
はい、それではホームルームを終了します、気を付けて下校する様に」
——4月1日16時【校長室】
コンコン、
「校長、失礼します。
「あぁ〜今日も疲れたよー」
「校長! 学校ではどんな時でも変化したままでって言ってるでしょう!」
「うるさいよーもう、
こっちはね1400人1人1人にSDT渡してるんだよー! 今年は去年の半分以下だったから割りかし楽だったけど……」
「校長がそんな事言わないで下さい、
「うぅ〜、それはそうだけど……それより僕に何か用があって来たんじゃないの?」
「あっ、そうでした。
大事な話があります
「そっちの話か、いいよ聞かせて
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