大事な事だから何回も繰り返します ~オトメゲーム入門書~

 今回はストーリー展開について語りましょうか。

 このことに関しては、べつにオトメゲームに限った内容ではありません。


 いわゆる、マルチエンディングをゴールに置いているゲームでは、いずれもあてはまる内容です。



 ◇◇◇



 オトメゲームでは、主人公がお目当ての攻略対象と恋人、友人になることで、エンディングとなります。

 ……まぁ、ゲーム内全部死エンドの物だったり、「攻略? え? これで?」みたいな着地点が不明確な物があったりもするのですが、それはさておき。


 そこを迎えるまでは、長ーいストーリーが待っているわけです。文字数が多すぎるものは、ライトノベルゲーとも言われています。


 そんな長いストーリーですが、主人公が最終的に選ぶ攻略対象は一人なわけです。逆ハーレムエンドはべつにしても。


 そのエンディングにたどりつくまでの流れは、システム展開で分類すると、大まかに分けて2パターンあります。

 ①金太郎あめシナリオ

 ②個別シナリオ


 この2つです。

 それらはどんな物なのか、詳しく説明していきましょう。



 ◇◇◇



 ①金太郎あめシナリオの場合


 皆さん、金太郎アメはご存知ですか? 神社の祭りがあると、その付近に現れる屋台で出ることもある、そう、あれです。


 金太郎アメは、細長ーく伸ばしたアメを、包丁で等間隔にトントントン、と刻んでいきます。するとあら不思議。断面が全部同じ絵柄が現れる、といったお菓子です。

 有名な物は、七五三のときに配られるアメでしょうか。


 それでも想像できない方は、ロールケーキを頭に浮かべて。……浮かべました?

 そしたら、それを切ってください。切り口の断面は切る前の物と、切った後の物は一緒ですよね?

 それと全く同じことをやっている、アメだと認識してください。それが金太郎アメです。


 作り方をていねいに説明したのは、梅津が金太郎アメ業界と手を組んだ、というわけではありません。そんな話は残念ながら、全く来ていませんから。

 無論、このような回りくどい言い方をしたのは説明に使うためです。ほら、「急がば回れ」とことわざにあるでしょう?


 金太郎あめシナリオとは文字通り、どの攻略対象のルートへ行っても基本的には同じ、というパターンのことです。

 エンディングの直前のみからだけが違う。最後だけ、主人公と攻略対象の恋愛模様が見れる、というわけです。


 メリット、デメリットについても語りましょう。


 メリット:サクサク攻略が進む。攻略対象によってのストーリー展開・セリフの違いが比較しやすい。そのぶん、ゲーム内の設定や物語の理解がしやすい。


 デメリット:展開が読めてしまうため、きる。そのため余程キャラクターへの愛着がないと、攻略対象全員をクリアする気力がきにくい。 


 パッと思いつく限りは、こういった点などでしょうか?


 では次は、②個別シナリオについて語りましょうか。


 ◇


 ②個別シナリオの場合


 どこから切っても同じだった金太郎あめとは異なり、攻略対象ごとにストーリー展開が全く違う、というものが個別シナリオです。

 オトメゲームは2パターンのうち、こちらのほうが多いように感じます。


 アニメ化したような有名な原作をいくつか挙げましょう。

 「うたの☆プリンスさまっ♪」や「Starry☆Sky」。この2つは有名だったかと思います。

 どちらも冒頭から主人公のお相手が選べます。


 それ以外にも、全員共通のシナリオをある程度進めてから、好感度によってお相手が決定するというものもあります。

 そちらは、ゲーム会社オトメイトさんのソフト全般ですね。今現在のオトメゲーム業界の主力の会社さんです。代表作としては「薄桜鬼」「緋色の欠片」「ワンド オブ フォーチュン」といったソフトを発売されてます。

 あと現在生存しているゲーム会社で有名なのでしたら、TAKUYOさんのソフトくらいでしょうか? 「カエル畑DEつかまえて☆彡」や「パニック パレット」「ひめひび」を販売されています。


 コーエーテクモさんの「遥かなる時空の中で」といった物達は、このジャンルにはふくまれます。が、特殊ですね。頑張れば、同時攻略で8股くらいできます。

 きゃー、主人公ちゃんのビッチー!


 メリット・デメリットとしては。


 メリット:主人公と攻略対象の恋愛模様がしっかりと描かれていることが多い。そのため、プレーヤーが感情移入しやすい。

 ボリューム満点で、イラストスチル(ようするに攻略対象ごとの絵)も充実。

 ミステリー系なら、謎解き要素など伏線を攻略対象ごとに張るなど工夫ができる。


 デメリット:プレイ時間が長くなる。1~2人の攻略対象の内容が面白くなければ、プレイヤーがすぐ攻略中断しがち。

 文字数が多くなるため、読むのが苦手な人は諦めることも。

 ソフトによっては、個別シナリオごとにシナリオライターを変えて起用している。なので、きちんと全体の設定や他の攻略対象のことを考えてない人が書くと、悲惨なことになる。



 こちらの方がメリットもデメリットも多いですね。



 ◇◇◇



 前述しましたように、今現在オトメゲームを意欲的に生産していますのが、オトメイトさんという会社です。

 その関係で、②個別シナリオがオトメゲームではほとんどとなっていますね。


 自分の好みとしては、スチルの多さ、俳優さんの美声をより多く拝聴できる、主人公達のエピソードが多く読める、などといった数々の利点から、②個別シナリオの方がやはり好みです。


 なにより、金太郎あめシナリオだと、ゲームの終盤になって主人公が急に、

「彼のことが、ずっと好きだったの!!」(ババーン!)

 という展開には、いまだについていけなくてですね。

 絶対、媚薬とかホレ薬とか食べ物に混入されたんだと思います。うん、きっとそうでしょう。


 そういった梅津の好みの関係で、自分が執筆してる小説「ミスキャスト!」も、途中で個別ルート分岐するかたちになっています。

 興味がある人はぜひ! ぜひのぞいてください! ここにそのアドレスを貼っておきますので↓

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054880701259



 ……よし、宣伝もバッチリしたことですし、今回はこの辺にいたしましょう。

 次回は、攻略対象・主人公の性格について語りましょう。


 では、また。


 

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