存在しない悪役令嬢 ~オトメゲーム入門書~
タイトルでネタバレばっちりですね。
今回のテーマは「悪役令嬢」への勘違いなんですが、先に注意を。
梅津は悪役令嬢物の小説を反対しているわけではないです。むしろ大好物です。
ネット小説でもガンガン読み漁っていますし、販売されているそういった書籍も手元にあります。
いいですよね、悪役令嬢。
洋画でよくある、逆転下克上
つまり、あくまでも読み物として、フィクションとして、好きです。一種のファンタジーだととらえています。
なので、批判はしていません。
その点、あしからず。
◇
今ネット小説でブームの悪役令嬢ですが、実際の販売されているオトメゲームの登場人物にはほとんど存在しません。
そもそも、「令嬢」という観点から違うかと思います。
令嬢と言われると、皆さん何を想像しますか?
お嬢様で、お金持ちで、
うん、そもそもですね。
そんな相手、主人公が早々知り合えるわけないでしょうが。
どこで知り合うと。道端に転がっているんですか。拾った場所に返してきなさい。
というわけで、ストーリー上悪役の女性が出たとしても、主人公の同級生、攻略対象の親戚といったパターンが多いです。
そして、「悪役」も間違い。正確には「ライバル」役の女性が主ですね。
代表的なのは、以前にもご紹介しました「ネオ・アンジェリーク」でしょうか。あとは、「ときめきメモリアル ~Girl’s Side~」の1と2とかですかね。
主人公と攻略対象の恋愛を邪魔する「悪役」ではなく、主人公と
ちなみにライバルエンドとかも存在したりなんかします。ライバル女子、かわいい。一人ください。
そもそも論ですね。
「悪役令嬢」も「ライバル女子」も、なかなかいません。同じ立ち位置に立っているのは、また別の物が主です。
悪役はいないわけではありません。主人公と攻略対象のあまーい恋愛に、キュンとトキメクようなロマンス。
その隠し味に、悪者は欠かせません。そのほうが盛り上がりますからね。
では、「悪役令嬢」の代わりに何が多いか?
もしも問われたら、梅津はこう胸を張って答えましょう。
それはですね、「悪役ヒーロー」です。
要するに。隠し攻略対象として、悪役キャラがいるわけです。
暗い過去があって暗黒面に堕ちたキャラを救う、主人公がメンタルケアして改心させる、もしくは第三の敵に向けて共闘、そんなシナリオの流れが大体パターン化しています。
あ、隠し攻略対象についても補足を。
オトメゲームはマルチエンディングであり、主人公が迎える物語の最後は一つではありません。
多いゲームですと、20以上のエンディングを用意してたりします。それもCG(イラスト)付きで。
すんばらしいですよね。開発者の方々には頭の下がる思いです。グッズにお布施をしているので、感謝の気持ちはきっと届いていると信じています。信じて、いますからね!! だから絶対、「恋花デイズ」移植してください!!
梅津の内情はさておき。
要するに、エンドが複数あるわけで、色んな登場人物の話を見るためには、周回する必要があります。
そして、ある程度こなしていくと攻略対象と主人公の恋のお邪魔虫が嫌でも目に入ります。
最初は、「ちっ! うっぜーな、どっか行け。ハウス!!」と叫びたくなるような「悪役ヒーロー」。しかし何度も何度も見ていると、さすがに情が湧くわけです。
「ダメだこいつ、なんとかしないと」←クズ・ダメ人間の悪役の場合
「うああああっ! 可哀そうだよぉぉぉ!! 主人公救ってあげてー!!?」←不憫系・ヤンデレ系の場合
といった具合に。共通して言えることは、
「幸せにしてあげたい、いや、してあげてよ主人公!!」
この一言に尽きます。
そして大体のそういった悪役男性(イケメンに限る)が出てくる場合、何周回かすれば、制限が解除されます。つまり、攻略できるようになる、というわけです。
これが隠し攻略対象、と呼ばれる人物達です。
ちなみに、「隠し攻略対象じゃない、だと……!?」というパターンもあります。
しかしその場合は、ファンデスク(FD)もしくは続編で攻略可能になってることが多いです。
さすがあざとい! 商法ですからね!
でも嬉しいです、ありがとうございます、お布施弾みますね、だからぜひグッズ展開もお待ちしております、
◇
話題がだいぶ外れて脱線事故を起こしました。まとめに入りましょうか。
――結論。
「悪役令嬢はいないが悪役ヒーローはいる。むしろ尊い」
以上、おそ松様です。次回もオトメゲームの解説もどきを話していきます。テーマは、「シナリオ展開について」です。
では、また。
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