第7話 始まりの日 学校 その3
朝日 小夜里
高校一年生
一切の汚れのない白い肌にアイドル顔負けの整った容姿、そして一度目にしたら最後、二度と目を話すことができないというほど吸い込まれる黒髪ロングを兼ね備えた超絶美少女。
中学の頃からテストは学年一位を取り続け、スポーツに関しても部活に所属していないにも関わらず現役の陸上部スタメンに100メートル走で勝ってしまうほどであった。
そんな彼女は大変モテており、何千回にものぼる告白を受けるも全て一蹴。今でも数多の挑戦者が無謀の道を歩んでいる。
今年ここ私立浜崎高校に合格したという報が浜崎高校の生徒に届いた当日、大勢の浜崎
以上 後日、ある生徒から聞いた補足説明である。
というか色々つっこみてぇ。
なんだよ!?喜びの舞って!この学校大丈夫なのか!?心配になってきたよ!
・・・・まぁキリがないから進もうか、
「それで、疾風も挑戦したの?」
「いや、釣り合わなさそうだしな」
そのイケメンフェイスでよく言いますね
「ところで未治は何で東京に来たんだ?何でも一人暮らししてるって先生から聞いたぞ」
美少女との邂逅の後、無事に購買部で焼きそばパンを購入した俺は疾風とともに近くの庭のベンチで昼飯デート(笑)と洒落込んでいた。
「自立しないとって思ったからかなー」
「まだ高校生なのに?」
「・・・・これ以上迷惑をかけられない親戚がいるんだよ」
「へー。なんというか、すごいな」
「えっ、何が?」
「だって普通この歳で考えることじゃねーよ。俺だってまだ親におんぶに抱っこだ」
「いいんだよ。それで、多分」
そうか、なんとなくだけど心配してくれてるんだろうなとは思う。
「・・・・そうか。」
そう言って疾風は俺の肩を少し強く叩く。
バシッ
「・・・・何?俺香奈みたいな事してないけど、痛いんだけど」
「まぁ、困ったことがあったら・・・・力を借りたいときは、俺を頼ってくれ・・・・必ず力になるから」
「・・・・・イケメンかよお前」
「お金ならいくらでも貸せるぞ!・・・・幸い今実入りがいいからな」
「なんだよそれ、なんのバイトしてんだよ」
「ふっ、秘密だ」
「なんだよ・・・・ふふっ」
それに、疾風は聡い。
きっと俺の境遇に少しは勘付いているのだろう。
それでも明るく話しかける疾風に俺は・・・・
って待て、これはそういう物語じゃないから!BLはジャンルに含まれないから!
「ハァァァァァァァァァアアアアアヤァァァァァァアアアチャァァァァァアアアげぼぶらたてひぶりゆねひごにびりづしのひべぶふべっ!」
ズザザザザーーーーーーー
突然奇声をあげながら超速で迫ってきたそれはたまたま床にかけていたワックスに足を滑らせ、その運動エネルギーのままに恐ろしい勢いで地面にキスしながら盛大に転んだ。痛そう。
「・・・・・・・・・・はぁ」
「いや溜め息ついてないで助けて!起こして!こんな美少女が盛大に転んで置いて第一声が溜め息ってこの世界どうかしてるっっぅぅぅ」
実際はうつぶせの状態で発言しているので言っていることの大半を俺と疾風は聞き取ることはできなかった。ただ助けて欲しいことだけはわかるので俺が香奈を起こしてあげた。
「・・・・・・・・はぁ」
「ちょっとぉぉぉなんでよぉぉぉハヤちゃん!幼馴染の盛大な事故に対してなんでそんな冷めてんの!!おかしいでしょ!とる対応間違えてるよ!!」
「・・・・・とりあえず顔拭け。あと傷口水で洗え」
「・・・・はーい」
なおも抗議したいそうな香奈であったが、正論には逆らえず渋々ポケットからハンカチを出し自分の顔を拭く。
「・・・・お前、廊下は走っちゃダメって小学校の頃から何度も、お前だけのために、言われてきただろうが」
「だってだって、ハヤちゃんいなくなっちゃうから・・・・」
なるほど、疾風を探していたのか。それは少し悪いことしちゃったな。
「あーごめんね香奈、疾風独占しちゃって」
「いいのいいの、未治君なら安心したよ〜・・・・・他の女だったら自殺してた」
「・・・・お前はヤンデレかよ」
割と本気の目をしてる。やりそう。
とちょうどいいので聞いてみたいことを聞いてみた。
「ねぇ、二人ってさ・・・・付き合ってるの?」
「いや?」
「ブッ!ななななななっ、何を言っているのなのかかな突然!?」
うわぁ、一目で状況理解できるやつや。
「なんというか・・・・・一緒にいすぎて、あんまり異性として見てない感ある」
「ひっ酷い!!私これでもモテてる方なのに!!こんな可愛い美少女なのに!・・・・・・はっ!もしやハヤちゃん・・・・・異性に興味ない!?」
「あー小夜里ちゃん可愛いなー付き合いたいなー」
「ムキーーーーーーーーーーーーー!!」
まぁなんだろう、頑張れ!・・・・お互い。
今多分恋人のいちゃちゃの渦中にいる気がするけど・・・・あんまりこの状況羨ましいとは思わんわ。
11:12
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