第6話 新聞を読もう

「かんたさん、新聞を読みましょう」


夢の中で、ユメちゃんが言った。


「え? なんで?」


ユメちゃんは、英字新聞を取り出した。


「人間は、自分の興味がないことって、頭に入らないので、今、世界で何が起こっているか興味を持てると、新聞が読めると思って」


「ふうん、でも、ネットで検索したらわかるし、英語の文章は翻訳機あればいいかな」


なんか、英語ができるようになりたい気持ちがあっても、英字新聞って、ハードル高い。


「これ、学習用の英字新聞だから、単語の意味、載っているの。そこを見たら、話題が推測できるの」


ユメちゃんは、英字新聞を広げた。

写真、文章、下に英単語と日本語の意味。


「でね、文章を読んでいきながら、どんなことが書いてあるかなって、推理するの。推理ゲームみたいな感じで」

「推理ゲーム?」


面白いんだろうか。

英語ばかりの文章って、正直、クラクラだけど。

僕は、単語の日本語訳を読んだ。

そして、その意味をつないでみた。

なんとなく、こういうことをいっているんだな、と見当をつける。


「うーん、けど、文章全体の意味は、ちょっとわからない」


「意味わからないでもいいの。この単語、見たことある、発音わかる、ってところを目標にして辞書引いて、音読してみて」


辞書引くのか!!

めちゃくちゃ面倒くさ。


僕は、くじけそうになった。

もう駄目か、ここまでか。


「かんたさん」

「はい」

「ファイトです!」

「はいい~」


ユメちゃんが、応援してくれている。


そんな夢を見た。



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