第2話 完結
その男の子は話をするのが
好きな人だった。
私はあんまり口数が多い男が
好きな方ではなかったから
半ばうんざりしながら相槌をうってた
私の気も知らず
男の子の舌はよく回る。
ふと時計を見ると
びっくりするくらい時間が経っていた
お酒の魔力なのか
その男の子の饒舌のせいか
はっきり言ってわからない。
「私……そろそろ出るね」
苦笑しながら逃げようとした
しかし気持ちは伝わらず
「あ!場所変える??」
嬉しそうにそんな事を言う
勘弁してよ…
「 や、明日バイトが実はあって……」
薄い嘘も役立たず
「真面目だねー可愛いー」
あぁ……ダメだこれは
クラブを出て行くあてもなく
二人でだらしなく遅い足取りで
汚れのシミだらけの道を歩く
「カラオケでも行くー?」
「 いえ、、だから私明日バイトがあるから」
「いいじゃん!そんなのもうー!」
酔いがだいぶ回っている
手の振り方がだいぶヤバい。
私も少し酔いは回っているから
あまり自信は無いけど
「ここなら部屋空いてるんじゃない?」
男の子が店の正面を向いて
指を指した瞬間を狙って
私は走り出した。
「えっ?!ちょっと??!」
男の子はびっくりして手を伸ばした
とにかくおぼつかない足を動かした
早く離れたい一心で腕を振った。
よく歩いていた街なのに
気持ちが焦りすぎて
よくわからない場所に着いてしまった。
「ここ……どこだろう?」
蛍光灯は古びてて今すぐにでも
光を止めてしまいそうで
この先に人の気配が全くない様だ
酔いはまだ残っていて何も恐怖を
感じなかった。
ゆっくりと奥に進むと、人家があった。
そこには赤ちゃんも透明な棚に捨てられ
透明な棚にコスプレをした女の子達が
商品として並べられ
その中で子どもを、
育ててる保育士のような者がいたり
まるで法律など関係ないような殺風景な異様な空間が広がっていた
少し恐怖が芽生えてその場を立ち去った
もう追いかける者はいないのに
何故かさっきよりも急いで走った。
もう……ダメだ……
逃げ疲れた私は路上の隙間に背中をつけて座り込んだ。
片隅でボロボロになった犬を見つけた
「お前も一人なの?」
目を見つめた、犬はまだ警戒してる、
じっと見つめると徐々に犬は心を開いた
様子になって近づいて来た。
しかし、背中の向こうであの男の子を見つけた気がしてかすみはすぐに犬を、元の片隅に放ってしまった。実際は女の子を無理やり連れたおじさんだった。しかし犬はまた一つ人間不信になってしまった。
しばらくすると先程迄透明な棚にいた女達が出てきた。様子がおかしい。
すると口から血を出し始めた。
感染症だった。
かすみは首元にある赤い点が感染症のマークだと気づく、慌てて逃げたが日常を普通に過ごす街中の人々の言動の中に感染症の症状が飛び交っていた。既にほとんど広がっていた。絶望にビルの片隅に腰を落とすかすみ、、、
「……夢か」
そこには見慣れた天井しか無かった。
[完]
不思議な夢 水野優子 @mizunoyuko
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