第24話 6-3失声の少女ハイデ

 青年は言葉巧みに相手から情報を聴き出そうとしていた。


「そう、あいつ最近見ないよな」


 掃除の行き届いた部屋で、ディスプレイ越しに会話を続ける。そこにはカメラも設置してあった。


「あぁそうなんだ。でも、いい薬になったんじゃないか?」


 明確な殺意を目に浮かべながらも、青年は明るく笑って言った。どうせ顔なんて相手には見えやしない。思ってもいない事を言うのは、慣れている様子だった。


「なに、お前は間違ってないよ、アウル」

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