やられた、という感じです。序盤はなにがしさんの性癖暴露小説かと思って読み進めていましたが、とんでもない。短編という形式をこれ以上なく活かした、急転直下の感動物語でした。自分を晒すのが怖い――誰もが一度は思ったことがあるでしょう。人に言えない秘密。ちょっと恥ずかしい趣味。それをカミングアウトした時の反応が怖くて、中々言い出せない人もたくさんいると思います。これは、そんなあなたへ贈る物語です。是非、一歩を踏み出してみましょう。
なぜだ。爆笑しながら読んでいたはずなのに。いつの間にか真剣に読み入って、読了後には感慨深い溜め息をついていた。なぜか。それだけの力がこの作品にはあるからだ。理由なんかわからない。原理なんか知らない。『面白い』。ただそれだけで充分だろう。ぜひ一読ください。