第2話 めるあいゔぃー
説明しよう!
絶世の銀髪美少女であるメルは、頭をなでられると幼女に変身してしまう体質の持ち主なのだ!
理由? わからない。
原理? そんなの知らない。
ただひとつわかっていることは、幼女姿のメルはかわいいってこと。かわいいは正義。つまりメルたんこそ正義だってことである!
「にぃに〜」
はい。僕の足元に天使がいます。どうしたのかな? 福音を届けに来たのかな? メルのあまりの可愛さに微笑んでいると、メルのお腹がぐぅと鳴った。
はっと、我に返る。
僕は光の速さで麻婆豆腐を仕上げ、玉子スープを作り、水餃子を包んだ。もちろん餃子は皮から手作りした。メルたんが口にするものはなるべく手作りしてあげたいに決まっている。
「ご飯にするよ〜」
メルは自分のお茶碗を持って、てくてくと
お手伝いしてくれている。ぶかぶかになった白のワンピース、ゆるゆるになった黒のチョーカー、すべてがかわいい♡
支度が終わり、僕たちは向かい合わせに座った。両手を合わせ、いただきますと言うと、メルが続いた。
「いただきましゅ」
「はい。よく言えました♡」
銀髪幼女が「める、ぎょうざしゅきー」ってひと口でぱくっと食べてくれて、それがもう、尊すぎて涙腺が決壊しそうになっていた、そのときだった。
――メルが光に包まれてぐんぐん大きくなったのである。
もとの大きさ(=成熟体)に戻るメル。
説明しよう。
メルは頭を撫でられると、
理由も原理も知らないし、ただ、真理があるならば、幸せな夢から覚めたときって、すっごいがっかりするよね。
ふぁ〜とあくびをするメル。
本人曰く、幼女体になっているときは夢を見ている感覚に近いらしい。
「どうしたのハル? 死んだイグアナみたいな目をしているけど」
「いや、別に」
「ハル、もしかしてまた私の頭なでた?」
「いや」
「目を見て言って」
ブルーの瞳が僕を見つめてくる。どうせなら幼女メルたんと見つめ合いたかったなぁ。
「子ども姿の私ってかわいい?」
「神だね!」
反応してしまい、げ、と思う。じとーっとした目をするメル。麻婆豆腐をひと口食べて、「やっぱりー!」と声を上げた。
「この麻婆、ぜんぜん辛くない!」
くそ。このわがままお嬢様が。
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