第5話エンカウント②

月曜日、俺はいつものように家をでて学校に行く。途中で武と会い一緒に学校まで歩く。


「今日転校生が来るな!いやぁ、どんな子かな~可愛いといいなぁ」


そう言えば今日は転校生のが来るのか。すっかり忘れていたが、まぁ俺には関係なさそうだな。


教室に入るとクラスがざわざわしていた。おそらく転校生のことだろう。

暫くすると担任の水原先生がやって来た。とてもがたいの良いおっさんだ。高校時代、アメフトのキャプテンだったらしい。生徒思いで人気が高い。


「皆も知っているだろうが今日はこのクラスに2人転校生がくる。仲良くするように」


二人?一人だとだと思っていたので武に聞いてみたが武も同じような反応をしていた。


「二人とも、入ってきていいぞー」


水原先生がそう言うと女の子二人が教室に入ってくる。


「軽く自己紹介だけしてもらうか」


水原先生がそう言うと、転校生の一人が元気よく返事をした。


「はーい、初めまして!今日からお世話になる白鷺 ふたです!趣味はピアノを弾くことです!よろしくお願いします!はい、次はお姉ちゃんの番だよ!」


皆が拍手をし、そのお姉さん?であろう人に注目する。


「姉の白鷺 かずです。よろしくお願いします。」


と、二人の自己紹介が終わると先生が


「君たちの席は...あの一番奥の空いている席に座ってもらおう」


そういえば教室に入ったとき何故か俺の隣に席が二つ増えていたがそういうことだったのか。

はーい、と白鷺妹が返事をし、それについていくような形で姉が席に向かう。どうやら俺の隣は姉の方らしい。


「よろしく、分からないことがあれば遠慮なく聞いてね」


俺は無難に白鷺姉の方に向かって、社交辞令のような言葉を口にした。


「えぇ、よろしく」


そういい白鷺姉は短く答えた。


ホームルームが終わると同時にクラスの連中が転校生に群がってきた。好きな食べ物とか白鷺財閥の娘なのかとか、普段は何をしているのかとか。


「あの二人めっちゃ可愛くね?姉はクール系美人、妹は元気っ子って感じだな、お前どっちがタイプ?」


武がそんな事をいう。確かに誰からしてもとても美人だと思った。そこら辺のアイドルより整っていると思う。


「さぁな」


そんな風に答えると武は、まぁお前重度の二次オタだもんな興味ねーか、と小さな声で俺にいい、輪の中に入っていった。

当たり前だ。リ アに興味はない。校庭を見ながら今日進める予定のゲームの攻略順を考えていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る