第3話噂の転入生②
午前の授業が終わり昼飯を調達するため教室を出ようとすると武が声をかけてきた。
「あらたー、学食行くんだろ?一緒に食おうぜ」
武はいつもは別のグループと一緒に飯を食っている。
「急にどうした?あいつらと食べなくていいのか?」
別に皮肉を言っているわけではない。学校ならよくある光景だと思うが、例外なく俺らの教室にもカーストというものが存在する。武は一番上のカースト、つまりリア充たちの輪でいつもは飯を食っている。因みに俺はカースト外(所属カーストなし)だ。
「あー、ほら今日あれの発売日だろ?話そうぜ」
そういえば今日は待望の新作ギャルゲーの発売日だった。忘れていたがこいつも重度のオタクだった。
学食は券売機で先に支払ってからそれを厨房のおばさんに渡すシステムだ。今日はカレーの気分だからカツカレーにしよう。ここの学食は量の割に安い。
席につき昼食を摂りながら今朝のホームルームで聞き忘れていたことをきく。
「そういえば転入生っていつくるの?」
「あぁ、確か来週の月曜日ってきいたよ」
今日は金曜日なので明々後日ってに来るというわけか。
「それよりさ、今日買いにいこうぜ!俺早くやりたくて待ち遠しいよ、今回の新作に推しの声優なんだよ!」
と、興奮ぎみに話はじめる。
「すまん、俺今日バイトなんだわ。明日買いに行く予定」
じゃぁ一人で買いに行くか、と武はいいチャーハンをたいらけだ。
帰りのホームルームが終わると同時に武はすごい勢いで教室を出ていった。俺も帰る支度をし学校を出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます