その20 真夜中のための組曲
「真夜中のための組曲」は赤川次郎三十六作目の本。短編集でかなり短いものも含めて8編収録されている。ミステリ・ホラー・サスペンスなど雑多であり、解説で山前譲氏が書いているように「奇妙な味」感が強い。
収録作では巻頭の「駐車場より愛を込めて」を激烈に推したい。
接待のために来訪する他社の偉いさんのため、駐車場を何とか確保しようと七転八倒する主人公のなんとおかしくも哀しい事か。会社勤めに向いていないと自覚しながらも働く姿は、むしろ当時より現代の読者のほうが身につまされるのではないだろうか。
そのほかにも短いが捨て置けない作品が多い。特に「わが愛しの洋服ダンス」と「人生相談」は些細なことがとんでもない事態を引き起す好短編。
アベレージが高く新装版が2010年に出たのも納得の一冊。
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