その7 赤いこうもり傘

 「赤いこうもり傘」は1978年刊行。ミステリではなく完全に冒険活劇。発表された媒体がソノラマ文庫と考えれば正しいが。

 主人公の瞳がフェンシングの名手でとてもかっこいい。また二人の男性の間で揺れ動くのも(そしてその男性たちが両方好感がもてるのも)非常にいい。

 あとは敵のキャラがとてもかっこいい。赤川次郎と言う人は基本徹底した性悪説の信奉者だが、善人であろうと悪人であろうと一貫した価値観を持つ人間は非常に尊い者として描写している。これは荒木飛呂彦など一部の少年漫画家たちが受け継いだ価値観でもある。

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