第6話 転生したら魔王が土木機械だった件 2019-02-07

人類の希望は潰えた。

人を滅ぼさんとする魔王に対して、友好的なエルフやドワーフといった種族、そして、人類の希望である勇者。

彼ら連合軍は、あっさりと魔王の軍団に滅ぼされてしまったのだ。


だが、希望は思いもしない方からやってくるのだった。



「あれは一体なんだ?」

しつこく抵抗を続ける人間たちに対して、大攻勢をかける魔王。

ある朝、敵方の陣に昨日まで見かけなかった黄色いキャラバンとおぼしきものが並んでいるのだ。

だが、少し不審な点がある程度で攻勢を止める謂れは無かった。

今回の準備として、人間の都市を襲って作り上げた吸血鬼の軍団があるのだ。


「かかれ!」


魔王の号令と共に、一斉に詰め寄る吸血鬼軍団。

だが、その勢いは途中で削がれた。


ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!


人間どもの陣地より投げ込まれた物体が弾けると同時に、吸血鬼たちの間から悲鳴が上がった。

吸血鬼の弱点、にんにくを投げ込んできたのだ。


続けて、突入してくる黄色いキャラバンたち。


「なんだあれは!?馬が引いてもいないのに走っているぞ?!」


黄色いキャラバンの正体、それは、地球から送り込まれたブルドーザーだったのだ。

にんにくで弱った吸血鬼の群れを、ブルドーザーが川へと押し込む。

ぎゃー!

吸血鬼たちの悲鳴が響く。

彼らは、流れる水を渡れないのだ。


――――――


人類は孤独ではなかった。


と始めて、異世界の人々のピンチに対して費用対効果がどうのこうのと議論しながら低コストで魔王軍を討ち亡ぼす物語。


もともとのインスピレーションとしては、某ラノベの魔王が「クラノス」という名前だった辺りから来ています。


「クラノス?!クラタスではないのか?!」


あぁ。クラタスというのは検索してみれば分かる通り、ロボットです。

というか、ロボットっぽい土木機械だと思ってたのですが、普通にロボットとして紹介されていますね。


まぁ、魔王がロボットとかいう想像をチョットだけしてから放っておいてたのですが。

朝に、ピコーン!と、ブルドーザーによって川に捨てられている吸血鬼のイメージが湧いてこんな話をひねり出した次第です。


なぜそんなイメージが湧いたか?というのについては、聞かないでください。

私にも謎です。。。

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