第2話 人魚姫 ※但し、タコ 2019-01-26
ある、嵐の夜の海。
波にさらわれて漆黒の奈落に沈む所だった青年を救ったのは、タコでした。
いえ、ただのタコではありません。
彼女は、魔王を追いかける勇者に轢かれて異世界転生・・・いえ、現世界転生してしまったお姫さまだったのです。
転生する時、彼女は言われました。
「この世界には、六道輪廻という仕組みがあるの。転生するというと、何に生まれ変わるか分かりませんよ?」
でも、転生しないとなったら、一体何をしたらいいのか。
基本、選択肢なんてありませんよね?
こうして、彼女は、タコに生まれ変わったのです。
「まぁ。なんて素敵な方なのでしょう!」
手に抱えた青年を、波がこない浜辺に下ろしながら姫は言いました。
そう。その青年はいわゆるイケメンだったのです。
彼女の心の中では、青年に見とれている人魚のイメージがありました。
傍から見ると、美青年に大きなタコが絡みついているようにしか見えませんけどね。
ですが、姫には分かっていました。
タコと人間は結ばれる事は無い、という事を。
泣く泣く、別れを惜しむ彼女。
浜辺に置いた青年に別れを惜しむよう、ひとめ、ふためと振り返り振り返り、それでも海に近づいていきます。
そして、ついに波に飲まれて・・・いえ、海の中に帰っていったのでした。
家に帰っても、彼女は青年の事が頭から離れませんでした。
せめて、夢の中ではお姫様になりたいな。
そう思った人魚姫は、少し遠出をしました。
そこには、古いけど大きな船が沈んでいます。
昔、宝を積んだ船が、ここで沈んだのです。
その倉庫には、壊れた箱から、綺麗な壺が顔を覗かせていました。
「まるで、お姫様の壺みたい。」
お姫様が壺を持っているのか?って?
タコにとっては、壺は寝るのに都合のいいところ
つまり、人で言うなら
「まるで、お姫様のベッドみたい。」
というところでしょうか?
――――――
某所で見たネタ(?)から思いついたストーリーのサイドストーリーの裏設定のストーリーから思い浮かんだストーリー。
もう、すでに何がなんやら・・・
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