第26話 山のポセイドン(2020-11-28)
ねぇねぇ聞いてよ、もう。
今日、変なお客様に会っちゃってさぁ
んー、リサも知ってると思うけど、私、冒険者ギルドの受付してるじゃん?
そんな所だから、むさくていかつい感じの男ばかり、はっきしいってイイ男来ないんだよねぇ。
うん。確かに、Sランクのイケシブなオジサマとか来る事もあるけどそれって、ほんっ〜〜〜っと、ごく稀にしか来なくて、今までに一度しか見た事無いし。
っていうか、そんなSランクの人なんか、私にとっても雲の上の人、というか、絡みようが無いじゃない?
だから、たまに来る、「オレ、冒険者になるんだ!」っていう男の子くらいしか、心のオアシスが無いのよ。
それも、危なっかしい事ばかりするものだから、すぐに来なくなっちゃうし。
うん?来なくなっちゃうって、何かあるのかって?
うん。別に怪我したりとか、そういった訳で来れなくなっちゃう訳じゃないのよ。
ほら、うちの領主さまとかから、人をあまり減らさないように、危険な事をさせないように、とか言われてるじゃない?
だから、お客様の格好と経歴を見て、無難なクエストを紹介するのも、受付の仕事なのよ。
そういうワケで、小さな男の子にできるような依頼、って訳で近くの採集のクエストとかまわすのよ。
でも、小さい男の子って、ナマイキ盛りじゃない?
私が、あぶないからもう少し簡単なこちらのクエストにしたらどうですか?と言っても、聞いてくれないのよ。
ふくれっつらして、ぶーぶー言って。
まぁ、そんな所も可愛かったりするんだけど、大抵、それだけじゃ済まないのよね。
ダメだ、って言ってるのに、隣の危ないクエストなんかを盗み見して。
大人しく、私の渡したクエストに行ってくるフリをして、盗み見をした、危ないクエストに行ってくるのよ。
それでね、まぁ、怪我して泣きながら帰ってくるだけならまだいいのね。
怪我の手当てをしながら、きつく叱ってあげてね、お灸をすえてあげれば、もう懲りて次からは大人しくしてくれるから。
でも大抵、それだけでは終わらないのよ。
失敗したのが悔しいから、とか、まかり間違って大した苦労もしないで成功して調子に乗っちゃった子とか。
たまたま、前はうまくいって生きて帰れた、というだけなのに、また同じように危険なクエストに行っちゃって・・・
え?あぁ、ごめんね。そういえば、変なお客様の話だったっけ?
その変なお客様って、変といっても、すっごいイケメンだったのよ。
綺麗な金髪に、涼しげな目元をしていて。
でも、中身?がすごく残念な人で。
魔王軍の四天王してるんだって。
でも、安い給料でこき使われるわ、部下からは突き上げられるわ、四天王同士でイジメはあるわ、とか、なんだか生々しい話してくるのよ。
なんでも、四天王のうちでも最弱で、面汚しだから、とかなんとか。
だから、冒険者になって、金溜めるんだとか。
でも、冒険者ギルドって、いわば敵の所に来ていいの?って聞いたら、
冒険者ギルドって、国とかそういったのを離れて独立している組織なんだろ?
とか言ってくるのよ。
確かに言われてみれば、そうなんだけどねぇ。
で、お名前は?って、聞いてみるとこれが、山のポセイドンとか言うのよ。
なんで山?
魚臭いのは嫌なんだって。
オレだって、アジの開きなんかより、ビーフステーキなんか食いたいんだ!とか、いばって言うのよ。
牛なら、山というより、牧場よねー。
というか、そんな名前に山とか海とかつける必要ある?
そんな事、話しているうちに、衛兵の人たちがやってきてね。
捕まえて行っちゃったのよ。
お前は今日から、ブタ箱のポセイドンだ、って。
話している間に、誰かが通報したのかな?
オレはまだ何もしてないだろーって暴れながら引きずられていくの、ちょっと可哀想だったかなぁ。
――――――
キャッチは「四天王だってお金ほし〜〜〜〜〜★」で。
アドベントカレンダー代りに、今まで書き溜めてたネタを一日一本放出、とか思いついたけど一日目から挫折。
というか、二日目ももう終わって三日になっちゃってるやん!
こりゃ無理だな・・・
なんだか知らないけど、「山のポセイドン」なんて単語が頭に浮かんで思いついた話、というか会話というか。
書き慣れている人なら、もう少し膨らませて面白く出来るんじゃないかなぁ、と思うけど、どうもこの辺で限界を感じたので、投稿。
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