第06話 嬉し恥ずかし思い出話

 夕奈を避けると決めた翌日。ところが昼休みに早速、間抜けにも捕まってしまった。


「さあ、朝斗。一緒に昼ご飯を食べようじゃないか」

「たまには、一人で食べたい」


 無駄だと分かっているが、反抗する。僕の制服の襟首を掴みながら、夕奈はニンマリと笑った。不良にカツアゲされる小学生のような図で、かなり恥ずかしい。


「嫌だね。昨日もどこかへ行っていたじゃないか。それに『たまには』って、入学してからまだ二週間しか経っていないよ」

「昨日は昨日、今日は今日だ」

「そんな屁理屈は通じないよ」


 いつものように、夕奈に後ろから抱き締められる。背中に当たる、控えめながら柔らかな感触に、心臓がひと際強く跳ねた。くそっ、逃げようにも逃げられない。


 そんなやり取りをする僕達の前に、メガネをかけた女子生徒が現れた。この今時珍しいほどに清楚な雰囲気の女子は、間違いなく長瀬だ。その細く整えられた眉を、申し訳なさそうに下げている。


「すみません、白鷺君。やっぱり、ご一緒は嫌ですか?」

「そんなことはないよ、長瀬さん。ねえ、朝斗?」


 有無を言わせない口調の夕奈。仕方がない。観念するしかないか。教室の各自の机をくっつける。女子二人と男子一人で食事、という図はかなり浮いてしまうのだが。


「……白鷺のやつ、神楽崎だけじゃなくて、長瀬とも一緒に弁当かよ」

「……意外とモテるんだな。あんなに地味なくせに」


 などと、やっかみの声が教室中から漏れて来る。何しろ、夕奈は輝かんばかりの美人だし、長瀬も純朴でお淑やかな美少女だ。まあ、夕奈の場合は肉親だから、モテているという表現は間違っているのだが。


「さあ、いただきます」


 無駄に自信満々な手つきで、夕奈は自分の弁当箱を開ける。中から姿を現したのは、タコさんウインナーにアスパラベーコン、それらの隙間を埋めるプチトマトとブロッコリー等々。彩り豊かで可愛らしいオカズ達だ。その隣の長瀬のお弁当は、上品なサンドイッチ。最後に僕のは、肉じゃが(昨日の夕飯の残りだ)に焼き鮭、キンピラゴボウ……などといった、家庭料理臭あふれる地味なオカズだった。どうも、食べる人間自身が持つ華やかさが、弁当の中身とリンクしている気がするのだが。


 いや、それよりも大きな問題がある。机を突き合わせ、すぐ目の前に夕奈と正面から向かい合わなければならないことだ。この状況は、大変まずい。かの宗教の聖人は、修行中に様々な誘惑を受け、それらをことごとく撥ね退けたというが……僕は、そのような鋼の精神力を持ち合わせていない。視線がズルズルと夕奈の顔へと引き寄せられていく。くっ、どうすればいいんだ。


 そんな僕の内心の葛藤などお構いなしに、正面の席に腰かけた長瀬が、僕の弁当箱を覗き見てきた。同時に、ブラウスからこぼれ出た柔肉の谷間が、凶悪なまでに自己主張をする。おいおい、胸が机に乗っているぞ。……いや、待てよ。今はこちらの誘惑に乗った方が、ずっとマシではないか?


「白鷺君のお弁当、すごく美味しそうですね」


 それを聞いた隣の夕奈が、得意げな顔を浮かべながら、大変控えめな胸を張ってみせる。たったそれだけのことなのに、モデルがポーズを取っているかのように見えるのだから、不思議だ。


「長瀬さん。そのお弁当はね、朝斗が作ったんだよ」

「えっ、本当ですか?」


 驚愕に顔色を染めて、長瀬は口元を手で押さえる。その仕草がまた淑やかだ。正に、現代日本で絶滅した大和撫子というやつだろう。だが、僕が弁当を作ることは、そんなに驚くほどのものなのだろうか。


「お父さんは、家事がさっぱりだからね。食事は朝斗が全部作っているんだ」

「わぁ、家事ができる男の人って、憧れますね」

「ボクも人並みに炊事はできるつもりだけど、朝斗には歯が立たないよ。朝斗は小さいころから、お母さんに料理をみっちりと教えてもらっていたからね」


 それを聞き、素直に尊敬の目を向けて来る長瀬。煌めきさえ見えるほどの純真な眼差しに対して、僕は何とも居心地が悪い。他人から褒められるのが苦手な性分なのだ。そんな僕を見る夕奈が、慈しむように目を細めた。


「そういえば、二人の慣れ初めを聞いていなかったね」

「な、慣れ初め、ですか」


 恥ずかしそうに俯く長瀬。おいこら、誤解を招くようなことを言うな。


「えっと、あれは確か、中学二年生のときのことだったと思います。体育の授業で、男女一緒に創作ダンスをすることになりました。でも私、ダンスとかそういうリズムに乗るタイプの種目が苦手で、いつまで経っても振り付けを覚えられなくて。同じ班の人達に迷惑をかけてばかりいました。他の子達から心ない言葉を投げられることもあって……何度も泣きそうになりました。ここから逃げたい、と思ったとき、同じ班だった白鷺君が声をかけてくれたんです」

「何て言ったんだい?」

「仏頂面でただ一言、『できるまで練習付き合ってやるから、諦めるな』って。同じ班の中でそんな優しい言葉をかけてくれたのは、白鷺君だけでした。それで、放課後遅くまで練習に付き合ってくれて」


 ああ、あのときか。僕も覚えている。正直を言えば、他人と積極的に関わりたくなかった。だが、他の連中が長瀬に対して、あまりに冷たい態度を取るものだから、さすがに放っておけなくなったのだ。


 長瀬は懐かしむように、迫力満点の豊かな胸に手を置く。


「練習中、白鷺君とは指導のこと以外に話がありませんでした。とても静かで、でもその場の空気は全然硬くなくて。ずっと練習に打ち込むことができました」

「それをきっかけに、仲良くなった、と」

「いいえ。残念ながら結局、白鷺君と一緒に過ごしたのは、そのときだけでしたから。三年生になったら、クラスも別々になりましたし。だから……あのときのお礼をきちんと言いたかったんです。本当に、ありがとうございました」


 長瀬は僕の方へ向き直り、深々と頭を下げた。そんなことをされると、こちらとしては困る。つい彼女から目線を逸らした。


「いや。別に気にするな」

「照れなくていいじゃないか、朝斗。君は紳士として、胸を張っていいんだよ」


 夕奈が柔らかく微笑み、僕の肩にしなやかな手を置く。夕奈に触れられただけで、胸を弾ませている自分がいた。またあの映像のせいか。くそっ、沈まれ。


 そんな僕の内心など知る由もない夕奈は、何やらほっとしたように胸を撫で下ろす。


「いやぁ、安心したよ。てっきり二人がラブな関係にあるのではないか、と疑っていたんでね。もしもそうなら、ボクはお邪魔虫だろう? この場を外した方がいいのではないか、と内心ビクビクしていたんだ」


 夕奈がサラリと言うものだから、僕と長瀬は思わず焦らされる。


「ら、ラブって」

「おい、そんなわけがないだろ」


 頬を赤らめ、メガネの奥で目元まで真っ赤にさせる長瀬。僕は肩に置かれた夕奈の手を、邪険に振り払う。だが、夕奈は少しも懲りた様子を見せない。いつもの大仰な口調で、僕に流し目を送って来た。おかげで、こちらの心臓がまた大きな鼓動音を奏でる。


「でも、朝斗も年頃の男の子だろう? 浮いた話の一つや二つ、あるんじゃないかなって思っていたんだ。中学時代は毎日電話やメールしたり、直に会っていたりしたけれど、その手の話題を一言も話してくれなかったじゃないか。妹としては、兄の恋愛事情をとてもとても心配していたんだよ」


 恋愛なんてしたことがない、などと思いかけたところへ、夕奈が急にジト目でこちらを睨んでくる。何だ?


「それとね。さっきから、いつ言おうかと悩んでいたんだけどさ、朝斗。君、さっきから長瀬さんの胸を見すぎだよ」

「なっ」

「えっ」


 いきなりの爆弾発言投下に、純真な顔をサッと朱色に染める長瀬。しまった、バレていたのか。


「確かに、彼女は素晴らしいプロポーションの持ち主だよ? でもね、さすがに、かぶりつくように見るのは、紳士としてエチケット違反じゃないのかい? 一昨日も、ボクが注意したばかりだよね」

「み、見てないぞ」

「嘘だね。君の嘘なんて、妹のボクにはお見通しなんだから」


 夕奈の声が剣山のごとく刺々しい。不機嫌そうに、桃色の唇を尖らせる。その子どもっぽい表情の、何と甘美なことか。いやいや、待て待て! こめかみを強く叩き、煩悩を振り払う。


「朝斗もやっぱり、胸の大きい女性が好みなのか。……くっ、こればかりは勝てない」

「何でお前が張り合おうとするんだ」


 自分の控えめな胸を、制服越しに両手で揉む夕奈。おい、さすがにそれは不味いだろ。教室中の男子の視線が、こっちに集まっているぞ。

 勝手に打ちひしがれる夕奈に対し、長瀬が混乱したように口をパクパクさせる。ひょっとして、この手の話題は苦手なのだろうか。


「あ、あの。すいません、何だか私のせいで、お二人の仲を悪くしたみたいで」

「長瀬さんは気にしなくてもいいよ。むしろ、朝斗が謝るべきなんだからね」


 こればかりは、何とも申し訳なさでいっぱいだった。夕奈から少しでも意識を逸らしたいという、こちらの事情を二人が知るはずがない。そのため、これでは自分がむっつりスケベだ、と白状したようなものだ。違う、とは言い切れないのが情けない。


 おかげで、気まずい空気が漂い始める。それをいち早く察知したのか、慌てて長瀬が話題を変えた。


「え、えっと、神楽崎さんと白鷺君は、本当に仲がいいですね。例えるなら、孤高の野生の猫と、隣に寄り添って守るチェシャ猫、みたいな」

「……こいつがチェシャ猫ねえ」

「何だい朝斗、文句があるようだけれど」


 まだ険が残る夕奈の声を無視する。ん、僕は野良猫か。だが、孤高なんて格好いいものではない。たぶん、大勢いる野生の猫達の中でも、群れに入れない猫なんだろうな、僕は。そんな僕の思考を読んだのか、長瀬は一生懸命にフォローを入れる。


「でも、私にも兄がいるから言えるんですけど。お二人を見ていると、普通の兄妹よりもお互いの心の距離が近い気がするんです。まるで、お互いを自分の半身だと思っているかのようで。やっぱり双子って、特別なんでしょうか」

「特別、か。世間一般の双子の人達がどうなのかは分からないけれど、確かにボクらは年頃の兄妹にしては、仲がいい方なのかもしれないね」


 そう言って、夕奈が僕の方に視線を向ける。そんなことを言われてもな……僕達二人は、母さんの胎内にいたころから、いや、父さんと精子と母さんの卵子が結ばれたときから、ずっと一緒にいたのだ。こんな言葉を使うのはクサいが、『絆』で結ばれているのだろう。その証が、『糸』なのかもしれない。


「そう言う長瀬さんは、お兄さんと仲良しなのかい?」

「そうですね。お二人には負けますけど、仲はいい方だと思います。兄は大学生で、私とは五つ離れています。休日は、よく一緒にショッピングに行ったり、兄のバイクに乗せてもらってドライブに行ったりしますね」


 気恥ずかしそうに、だがどこか誇らしげに長瀬は語った。どうやら、彼女にとって自慢の兄であるようだ。夕奈も口元を綻ばせる。


「へえ、素晴らしいお兄さんじゃないか。一緒にドライブするのは羨ましいなあ。ボク達も免許を取ったら、ツーリングをしてみたいね」


 無茶言うな。今の状態のままツーリングなんてしたら、感情と一緒にハンドルを制御できず、対向車に正面から激突しそうだ。


 すると夕奈は、それこそチェシャ猫を思わせる笑みを浮かべる。


「でもね、長瀬さん。ボクが朝斗を守っている、といった風に君は言うけれど。昔はまるで逆だったんだよ」

「え?」


 長瀬は心底驚いた風に、その品のある口を丸く開けた。


「おい、夕奈」

「いいじゃないか、朝斗。ボクら二人の思い出話だよ」


 さすがに恥ずかしいので苦情を入れると、夕奈はウインク一つして聞き流す。それがまた可愛らしくて、僕は思わず生唾を飲んだ。……くそっ、狂おしいほどの愛情に、無理やり蓋をしようとするが、上手くできない。


「幼いころのボクは、臆病な上に泣き虫でね。大人に話しかけられただけで、子猫のようにビクッと反応して、縮こまってしまっていたんだ。目に見える世界の全てが、今にも襲いかかってくるような気がして、怖くて仕方がなかった」

「へえ、意外ですね。私の中では、神楽崎さんは朝から晩まで元気に走り回って、男の子とも対等に渡り合っているイメージがあったんですけど」

「ご希望に添えなくて申し訳ないけれどね。当時のボクは、とにかく内向的な少女だったのさ。そんなボクを守ってくれたのが、朝斗だった」


 夕奈は懐かしむように、その釣り上がった目を細める。


「当時の朝斗は今と同じく、ぶっきらぼうで他人と話をするのが苦手だった。でも、ボクを懸命に守ってくれた。怖い野良犬に襲われたときや、同級生の男子に軽くいじめられたときには、いつも駆けつけてくれたんだ。ボクが泣きそうになると、背中を貸してくれて。ボクは、その背中に顔を埋めていた。ボクにとって朝斗は、テレビの特撮番組の中に登場するヒーローよりも、ずっと頼りになる最高のお兄ちゃんだったのさ」


 思い出を愛おしげに語る夕奈。何だか、背中がむず痒くなる話だな。

 夕奈は幼いころから顔立ちが整っていたが、いつもビクビクと怯える小動物のようだった。同年代の男子はからかいの対象として、女子は友達の輪に入れないことを馬鹿にして、夕奈を毎日のように苛めていた。


(ぐすっ、ごめんね、ごめんね、朝斗)

(もう泣くな。それに、謝らなくていいから)

(でも、ボクの代わりに、あの子たちにいっぱい殴られたでしょ。痣だらけだよ)

(こんなの大して痛くない。それより、早く帰るぞ)


 情けない今の僕を知る人は意外に思うだろうが、当時の僕は、なけなしの勇気を振り絞り、夕奈を苛める敵に立ち向かった。それを重荷に感じたことなんて、一度もない。僕達は支え合うのが当然だ、と信じて疑っていなかった。そんな毎日がいつまでも続くかと思われた。


 しかし、あの日。


(ボクも、もっと強くなるよ。朝斗が心配しなくても大丈夫なくらいに、強くなる)


 その日を境に、僕らの関係は変化をした。父さんと母さんの離婚で、僕達は離れ離れに暮らすことになったからだ。それがきっかけとなったのか、夕奈がいつまでもか弱いままでおらず、自分一人の足で歩く精神力を得た。


「素敵なお話ですね。私も、少しだけお気持ちが分かる気がします。お兄ちゃんの背中って、本当にあたたかくて、とても広く感じられるんですよね」

「うん。あの温もりは、一生忘れられないよ」

「そうすると、もしかしてその髪飾りは白鷺君に贈られたものですか?」


 長瀬は、夕奈の艶髪を彩る銀猫を指差した。


「うん、その通り。これは、朝斗が誕生日プレゼントにくれたものなんだ」

「誕生日プレゼントに髪飾りですか。とても深い愛情を感じますね」


 そう言いながら長瀬は、歳の離れた弟を見るかのごとき目を、こちらに向けてきた。僕は何となくバツが悪くなり、弁当箱に入った白米をかき込む。


 夕奈の言う通り、あの髪飾りは僕が贈ったものだ。確か、小学四年生のときだったっけ。

 当時の夕奈は、急に髪を伸ばし始めていた。それを間近で見ていた僕は、こいつがクラスメイトの誰かに恋心を抱いたのではないか、と心配した。もしもそうであるなら、少しでも妹に着飾らせてあげたい、と思ったのだ。隣町にあるアンティークショップまで自転車を走らせ、そこの店員に夕奈の写真を見せて、似合いそうな物はないかと相談した。自分の小遣いとお年玉の残りで買ったのが、あの銀猫である。

 受け取った夕奈は、顔を真っ赤にしながらも、喜んで受け取ってくれた。次の日から、早速身につけてくれた……のは良かったのだが、夕奈が誰かにアプローチをしている様子は見られなかった。結局、僕の予想は邪推に終わったものの、夕奈は今でも髪飾りをつけてくれている。


「ずっと大切にするよ。これまでも、そして、これからもね」


 と、話に割り込むように、流行りのバラードが鳴り響いた。


「あ、ごめんなさい。私の携帯ですね」


 長瀬は制服のポケットから、折りたたみ式の携帯電話を取り出す。どうやら、メールが届いたようだ。


「えっと、兄からですね。大学のゼミで、『前世の記憶を思い出す実験』をしているから、今日の放課後、一緒に参加しないか……ですって。『胡散臭いけど、教授はやけに自信満々』だそうです」

「前世の記憶を思い出す実験、か。さすがに眉唾ものじゃないのかい?」


 夕奈は考え込むように、細腕を組んだ。きっと父さんの顔を思い浮かべているのだろう。あんな研究をしている人間が、そうそう何人もいてたまるものか。だが、まさか、一昨日の実験からあまり時間が経っていないのに、いきなり大学で実験をするとは、予想もしていなかった。今まではあまりに危険であるせいで、大学内での実験が禁止されていたはずだが。ここ数日間、帰宅しなかったのは、大学側を説得し学生達に宣伝するためだったのか。それに長瀬の兄が、父さんのゼミに入っているとは。世の中とは、狭いものだな。


「私、実験に参加してみます」

「大丈夫なのかい? 危険な実験の可能性もあるだろう」

「大丈夫ですよ。大学の先生の公開実験なんですから、怪しくないと思います。それに前世については、ちょっとだけ知りたいんです。自分のルーツが分かるじゃないですか。前世を知ることができるなんて、ロマンチックじゃありませんか?」


 目を爛々と輝かせる長瀬。どうやら彼女は、その手の話が好みらしい。父さんの研究は大学内でもバカにされているらしいが、実験に参加しようという奇特な人間がいるのが不思議だ。諦めさせるのが無理だと感じたのか、夕奈は渋柿を食べたような表情を浮かべる。


「うーん、確かにそうかもしれないけどね」


 ルーツか。僕のルーツは……やめよう、また頭がぐちゃぐちゃになる。


「おや、どうしたんだい、朝斗。顔をしかめて」

「いや、何でもない。それより、顔をあまり近づけるな」


 僕の牽制に、夕奈は不満そうに口を尖らせる。その顔を正面から見られない自分が、苛立たしかった。

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