7

わたし、生まれは静岡、豆州(ずしゅう)の生まれ。

おやじのタクシー そしてオレもタクシーをはじめた。


オレは、静岡、豆州、修善寺で生まれた。オヤジは、観光のタクシーの運転手だった。黒塗りの観光タクシーは、かっこよかった。

いつも背広で、偏光グラスのサングラスをかけ、毎日、オヤジは、車を家に持ってきて、車を洗い、仕事に出かけた。クラウンに乗っているオヤジはしぶかった。幼稚園の頃、オヤジはクジラクラウンに乗っていた。

オフクロは、病院には行っていなかったが、精神分裂症みたいな感じで、おかしく、オフクロからは育児放棄され、オヤジに育てられた。オヤジはタクシーの仕事をしながら、家のことを何でもしてくれた。兄貴の話だと、オレのオムツの世話、トイレの夜中のシッコをしていたという。オヤジがいないとき、オヤジの方の、おばあちゃんがよくきてくれていたのをおぼえている。そんなオヤジに育てられた。

元々お菓子職人で、少し頑固な、まじめな、手先が器用な、オヤジだった。


老人福祉に携わるのはもうこれ以上身体を続けられない。 

18から33まで、続けてきて、現場一すじ、ぼくは頭がない。事務は無理だった。

身体を壊して(腰)、Dr.からもストップが出てしまった。仕事を考えた方がいいと言われ、座れる商売を考え、大好きなドライバーの道を選んだ。むろんトラックは無理だ。バスに乗りたい。でもバスはすぐに大型2種はとれない。

むろん、大型1種はとって持ってはいるがむずかしい。ダンプに乗りながら普通2種をとりにいった。身体も鍛えた。

ダンプに乗りながら、永のかいたいのたもとをしながら、すわりこみながら、ダンプに大きなガラを投げ込み、身体を鍛えて、ハローワークからももらうものをもらいながら、普通2種をとりにいった。

年寄り(利用者さん)からおそわっていた、三鷹の開成交通にて、タクシーをはじめた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る