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 そしてやってきた、クリスマスイブの日。

「ケーキ買ってよ、芽衣」

 恵はケーキを買いにお店に寄ってくれた親友の早乙女芽衣にそう言った。

「おすすめはどれ?」芽衣は言う。

「えっとね、これと、これかな?」

 ガラスケースの中に入ったストロベリーショートケーキと、ガトーショコラのチョコレートケーキを指差して恵は言う。

「真冬もこれでいい?」

 芽衣がそう聞くと、芽衣と一緒にいた真冬は「それでいいよ」といつものように、すごく優しい声で芽衣に答えた。

「じゃあそれ、一つずつください」芽衣は言った。

「ありがとうございます」

 にっこりと笑って恵は言った。

 ケーキを買い終わると、二人は仲良く手をつないでお店の外に出て行った。

 相変わらず仲の良い二人だった。

 自分の売っているケーキよりも、何倍も甘い。

 なんだか恵は二人のことを見ているだけで、お腹がいっぱいになってしまいそうな気持ちになった。

「四ツ谷さん。仕事、さぼんないで」後ろから葉月くんがそう言った。

「はい。わかりました」

 くるりと後ろを振り返って、敬礼をしながら恵は言った。

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