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五時間目の授業が終わると、真冬はクラスメートたちに囲まれた。
「おい! どうしたんだよ! キスしたのかよ!」
「ねえ? 告白されたの? 早乙女さん、どんな感じだった?」
いろんな質問を真冬はされた。
真冬は「そんなことはしてないよ。ただの、ちょっとした用事があっただけだよ」と言ったが、そんな嘘は誰にも通用しなかった。
六時間目の授業が終わって、ホームルームが終わり、放課後になっても、真冬はクラスメートから質問を受けていた。
すると、「みんな! そういうのはもうやめにしなさい。早乙女さんに失礼だし、柊木くんも困っているでしょ?」と学級委員の山吹絵里が言った。
クラスメートたちも基本的には早乙女芽衣と柊木真冬のことを応援しているようで、「わかったよ」とか「ごめん、絵里。ちょっとだけ興奮しちゃって」とか言って、それから真冬に「じゃあな、柊木。これから大変だと思うけど頑張れよ」とか「騒いじゃってごめんね、柊木くん。早乙女さんのことよろしくね」とか言って真冬のところから、いなくなって教室を出て行った。
そして真冬たちの教室には三人の生徒だけが残った。
真冬と、真冬の親友の森野忍と、それから学級委員の山吹絵里の三人だった。
「真冬。帰ろうぜ」と忍が言った。
「柊木くん! 本当に早乙女さんに告白されたの!?」と忍と同時に、身を乗り出すようにして、興奮気味に絵里が言った。
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