第7話 絵

「で、本題だけどね」

「うん」

「絵を描いて生きて」

「えっ?」

聞えなかった、ワンスモア。


「だから絵を描いてくるの」

「冗談はやめてくれ」

そう、僕の絵は幼稚園児よりもひどい。


もしタレントなら、絵の上手い人の引き立て役になるだろう。


そのくらい下手だ。


「大丈夫。上手い下手はみないから」

「何を見るの?」

「絵柄よ?」

「絵柄?」

対してかわらんが・・・


「知ってる?絵には描く人の性格がでるんだよ」

「性格?」

「うん、専門家が見るとね、その絵の作者がどんな方かわかるんだって」

「心理学者ですか」

「真面目に、近いと思う。

確かに、「絵は描く人に似る」とは聞く。

でもそれは、確実ではない。


でも、従うしかないか・・・


「で、締め切りは?」

「3日後」

「早い」

「だめ、徹夜してでも描きなさい」

「もし、描かなかったら?」

「君の事、嫌いになる」

「描いてきたら?」

「頭、なでてあげる」

この子は、僕を犬か猫とでも、思っているのか?


でも、描くことにした。

逆に興味がわいてきた。


見抜いてもらおう、僕の性格を・・・


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