貴方のための言葉を求めて

お気に入りの文学や詩を読んでも

大切にしまってある

心の闇で貴方の文字が読み取れない


犬が飼い主と散歩をしたり

鳩の群れがパンくずに集まったり

猫が叫びごえを上げて喧嘩をしても


それを眺めてあなたが

世界中の不幸を願っているなんて

想像もつかない


私は世界中の幸せを願って

貴方を一人にしている


貴方の幸せを願ったら

きっと

笑顔にしてしまうから


私はそっとその場で

その目と耳が聞こえなくなるように

あなたの心を引っ掻いてやろうとする


だれかに作ってもらった

お気に入りのネイルで


そして私は世界中の幸せを願った

ことを後悔するのでしょう


私に空が見えていなかったのは

この鈍器みたいな本のせいだ。





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