人のいない世界

人のいない世界はどんなだろう


空も町も食べ物も自動的にできあがって

日々の風が冷たくても

凍えることはないのだろうか?


私の興味、関心は私だけのもので

命を忘れ

すべての便利が

立体的に沸いてきて

飛び上がるような幸せが

私だけのものであっても

それが顔に残るのだろうか?


いつかこの顔がなくなってしまって

私が誰だかわからなくなってしまっても

鏡に映った私を美しいと

呟く声はあるのだろうか?


この腐っていく体に

虫さえ群がらずに

私は土に帰ることすらできずに


でも

この町は明日も育つのですね


たくさんの後ろ向きの背中を呼び止めて

顔のないあなたは振り向きもせず

明日を見てる


そこはただ

心の滅びた私だけの世界

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