第23話
無人機クラウザーの背中に貼付きながら最適のルートをPDAで探る。
シャーキーが用意してくれた機械仕掛けの相棒は、シンの事などお構い無しで黙々と前を進む。
振動で落としそうになりながら近道を見つける。
モンスターでも潜んでいそうな地下通路を奥へ奥へと進みながら、一刻も早く日の光を浴びたくなった。
「少し寒いな。」
黒いコートの襟をたててひんやりとした空気をしのぎながら身体を丸めた。
ポロポロと肩に天井から石が落ちて来る。
何やら不穏な気配。
見上げるとびっしりとヒビがはいっていた。
崩れる。。。。。
ピシッと小刻みな音とともに一気にガラガラと崩れ始めた。
キュイーンと機械音。
ピコーンピコーンとビーコンのけたたましい電子音。
瓦礫と砂塵の向こうにショックロッドの電源をブンという音とともに入れながら警察仕様のスコードロンがこちらへと向かって来る。
青と赤のランプを点滅させながらズンズンと迫ってきた。
「そこのマシーン何をしている。止まれ。こちらは27公機、ミッドタウンポリス所属だ。」
面倒なのに遭遇した。
クロウラーの次は警察か。
一緒に来てくれれば良かったのに。
ここからは歩いて行くか。
悪態をつきながら乗り心地のすこぶる悪いマシーンから降りると隅の暗がりへ身を隠す。
ポリススコードロンはクラウザーに気を取られて、こちらに気づかず。
壁伝いにやり過ごしながら小走りで、その場を離れた。
途中で水たまりを踏んでブーツが濡れ気持ち悪い。
外に出るまでガマンと持っていた包みを上着の内ポケットから取り出す。
おばちゃんが急いでつくってくれた握り飯をほおばりながら、そのおいしさに目頭が熱くなった。ほんの小さな幸せが痛いほど伝わって来た。
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