第18話
ゴミ箱ミッションを終えるとタサキは早足で社のラウンジへ向かうと仕事せずにのさばっている官職の人間が暇つぶしのネットサーフィンで使っている端末を開いた。
違法なアダルトサイトやいかがわしい検索履歴にまみれたノートパソコン。
発信元をつきとめられたところで発覚を恐れ揉み消すだろう。
プライベート衛星から送られて来るデータに目を通しながら今後の作戦を練る。
ダウンタウンのアナーキストの事を思い出し矢継ぎ早にメール。
画面に黒い毛皮をまとった女性が映し出される。
黒猫を抱いていて胸元から上は映っていない。
「ひさしぶりね。」
「ああ。メールの件頼むよ。」
「たまには店にも顔をだして。エイブリーが会いたがってた。」
ジュディスは相手に真意を悟られたくない女心で共通の友人であるエイブリーの名前をだした。
「彼女、元気か。」
気づかぬふりをしながらタサキは女のプライドを気遣った。
「まあね。それにしても厄介な頼み事ね。このコ、あの、、、。」
言い淀んだジュディスに大掛かりな揉め事に巻き込んでしまったことを申し訳なく思いながらどこかで埋め合わせをすることを想った。
「ボディーガードでも付けた方がいいかもしれないが、そこから身元が判明するとまずい。単独行動で君の店まで行く。」
「箱入り娘がこんな無法地帯に無事で来れるかしら。
」
けたたましく警察車のサイレンが鳴る店の外に目をやりながらジュディスが答える。
「いや。あのコは案外したたかでしっかり者だ。君と互角かそれ以上だ。」
幾人ともつき合って来た男の勘。
タサキは苦笑いしながらジュディスとの映話を切るとバスターミナルの映像に切り替えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます