第17話

リュシーはベッドから起き出すと読みかけのペーパーバッグをバッグに入れて身支度を整えた。


キラーチューンを鼻歌で奏でながらシャワーを浴び、遅い朝食、、、昼食をとり部屋を出た。 


お気に入りの黒いコートにモノトーンのストライプネクタイ、ロングブーツとタイツ。読者モデルもこなすコールのお洒落。


ハイクラスマンションのロビーで向かいに住む、官職じいさんと挨拶を交わすと緑地に囲まれた街路樹脇の自販機でミネラルウォーターを買ってバッグに入れた。


歩きながらPDAを取り出すと親しいタサキからのメールを読み返した。


困惑した表情でバスターミナルを目指す。


今のところ追手はいないようだ。


箱入り娘の行動には、すっかり安心しきっているのだろう。


ダウンタウン行きのグレイハウンドを探してタサキの指定した路線バスへ。


昼下がりのゆるやかな人混みに紛れて奥の座席に座る。


一抹の不安と、これまで訪れた事の無い下町への好奇心をふくらませて落ち着かない様子で足をぶらぶらと動かす。

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