第6話
即座に両脇のガーディアンが反撃にうつる。
あたしを放って。
騒動の大きさにようやく気づいた野次馬が逃げ去る。
「、、、、、、、!? 単独で動けるのか? コマンダーを倒したのに。」
どうすりゃいいんだ、、、、、、、。
敵との距離を保ちながら必死に戦略をめぐらす。
はさまれたら間違いなくアウトだ。
ローラーダッシュで敵の背後に回り込むのを試みるが動きが追いつけない。
、、、ヤバいぞ、、、。
足がちぎれそうになる。
これ以上のスピードは危険だ。
、、、速すぎる。
コンピュータのターゲットが追い付かない。畜生。
オペレーション解除だ。
マシンガンを乱射する。
昔のカンが戻ることを祈りながら。
素早い動きを食い止める為、ガーディアンの足下を狙う。
戦場で鍛えたカンがものをいう。
、、、たてつづけにマシンガンを乱射。
しかし、ことごとく弾道はむなしくターゲットをそれていく。
足を破壊できれば、なんとかなる。
奴のプロテクターは硬質ラバー製だ。
ぐんにゃりと溶かしてやる。銃の残弾数が気にかかる。カウンターの数値が、みるみる下がってゆく。
もはやこれまで、、、、、。†
最新の戦術機械に生身の人間は所詮、太刀打ちできないのか。コマンダーを潰し、指揮系統を奪うという戦略は通用しない。
くそっ、、、、、†弾の残りは二桁を割った。
一瞬の気の緩みが死を招く。
ガーディアンが放つレールガンの弾が足をかすめた。たちまちバランスを崩す。
、、、このままやられるのか。畜生。
足のローラーが空で虚しく回転する。
眼前に最後の一撃をおみまいするべく銃を構えるガーディアンが迫る。
死が頭をよぎる、、、、、そう思った刹那、、
運よく懐に潜り込んだ!†
やれる、、、、、、、、。
決定的だ。
射程範囲を越えた俺を撃つことができずタイミングを逃し、躊躇する奴の銃を掴むとそのままアスファルトに押し倒す。
地面に一気に叩き付ける。
そのまま路面を滑りながら敵の動きを封じる。
このままやってやる。
確実にしとめられる。
相手の銃をおしのけマシンガンの弾を叩き込む。 †もう一体のガーディアンが気になる。
、、、何処だ?背後に気配を感じる。
レールガンを構えたまま微動だにしない。
どうやら味方とマーキングが重なって攻撃できないでいるのだろう。
、、、?、、、おかしい、、、敵の破壊が何よりも優先してるはずだ、、、感情を持たない機械が味方の安否を気づかうなんて、、、どういうことだ、、ガーディアンの鈍く光るレッドアイを凝視する。
一瞬、スーツのモニターごしに人間の目と合ったような錯覚をおぼえる。
「、、、、、!?」
迷いを振り切るように銃の引き金を引く。
残りの弾を全て撃ち尽くす。
これで終わりだ。
エネルギーパイプに命中し、爆炎をあげる。
助かった、、、、、、、
安堵感と共に肩の力が一気にぬける。
パターンでしか物事を判断できないコンピュータにとってプログラムにないアクシデントは盲点なのだろう。
人間が高速で計算処理を行う機械に勝るとすれば、そんなところか。
スーツのキャノピーを開き、緊張から解き放たれた火照った身体を心地よい風にあてながら依頼人に歩み寄る。
一刻も早くここから離れなければ。インスペクターが来る前に。†
、、お。なかなかの美人だな。
、、、、、、、、†近付くにつれ相手の険しい表情が見てとれる。
自分なりにとびきりの笑顔をつくりランデヴーの時間に遅れたわけを話そうと口を開きかけたその時、、、「汗くさいからそれ以上、近付かないで。」
久方ぶりの戦闘で疲れた身体に鋭く、冷たく、彼女の言葉が突き刺さった、、、、、、、。
ジャネットの乗ったカーゴが降りてくるのを視界の隅に感じながら、これからの事を考える。
これは先が思いやられるな、、、、、、、。
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