第12話 プ―シーの丘は大混雑

 ルアンパバーンの名所としてあげられるのが、街の中心部にあるプーシーの丘だ。この丘に登ればルアンパバーンの街と、その先に続くメコン川の流れを一望する見事な眺めを堪能できる。特に日没の時刻が近づくと、メコン川に沈む夕日を眺めようと多くの観光客が押し寄せてくる。もちろん記念写真を撮る人も多く、丘の先端に突き出した岩の上がベストスポットだ。

 この岩なのだが、人ひとりが立つのがやっとの狭い場所なので、観光客が長蛇の列を作って順番に撮影していくのだが、太陽はどんどん沈んでいくので夕日のタイミングで撮影できる時間はあまり長くない。基本的に短時間で撮影を済ませて交代していく人が殆どなのだが、まれに一人で長時間撮影を続ける人がいる。だいたいそういう人は凝った自撮りを何枚も撮り続けるのだが、日本だとこういう場合に「こんな迷惑な奴がいる!」とその人物の写真をSNSで拡散・炎上させる方向に行くのだろうが、プーシーの丘では「お前いつまで撮ってるんだよ!とっとと交代しろ!」とダイレクトに文句を言われる。こういう切羽詰まった状況で国民性みたいなものが見えてくるのは面白いものだ。

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